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現代フランス倒産手続における「dessaisissement」概念の解釈と役割

研究課題

研究課題/領域番号 22K13308
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分05060:民事法学関連
研究機関新潟大学

研究代表者

張 子弦  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (10822661)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードフランス法 / 倒産法 / 手続法 / 個人破産 / 破産管財人 / 訴権 / 権利喪失 / フランス倒産法 / 民事手続法 / 個人倒産 / 消費者破産 / 免責 / 債務者の個人情報
研究開始時の研究の概要

本研究は、フランス倒産法における「Dessaisissement」という概念を基軸に据えて、倒産手続の開始から派生した権利・地位の変動を検討し、同概念にかかわるフランス法理論の現代的展開と到達点を解明する。それをもとに、日本法における債務者の権利喪失に関する統一的解釈の可能性を分析し、一般的に応用可能な解釈論の提案を試みる。

研究実績の概要

本研究は、日仏法を比較分析することによって、「破産失権(Dessaisissement)」概念の現代倒産手続における役割の解明を目指している。
今年度は、破産失権の概念に関して、主に消費者倒産の局面に生じる問題に焦点を当て研究した。具体的には、フランス消費者倒産手続の制度概要、法改正の経緯と実務状況などを概観し、その上で、個別の事例を対象に検討・検証した。例えば、破産手続開始後に生じる債務者の権利喪失の変動の一側面として、破産した受任者または委任者の財産管理能力はどうなるかの問題について、フランス法の判例学説を踏まえて検討した。また、破産債務者のプライバシー権の保護に関連する問題として、フランスの倒産公告制度についての調査研究を行った。そのほかに、当初は予定されていなかったが、仏語の講演原稿と学術論文を翻訳する機会が得られた(2023年)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、実体法と手続法の両面から具体的な事例を踏まえて検討することを予定していたが、上記のとおり、その点についてはおおむね計画どおりに研究を進めることができている。特に、破産手続開始後、破産手続開始後の委任関係の継続可否という問題を検討するにあたり、フランスの重要論文から、本研究の課題を解明するための手がかりを見つけることができた。今年度は、主に公刊資料と判例データベースに基づいて研究調査を行った。現地での資料調査やインタビューなどは実行できなかったが、その代わりに、上記のフランス語の講演原稿や学術論文を翻訳することを通じて、フランス倒産法に限らず、フランス民事訴訟法の最新動向に触れることができた。したがって、本研究は、おおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

次年度は、前年度に引き続き、これまで調査・検討したものをとりまとめ、その研究成果を論文または研究ノートとして公表することを目指す。フランス法と日本法に対する比較考察は、法改正の影響も踏まえながら、現在進行中の事例調査のデータを含めて、その内容をさらに精緻化する。本来一年目完成する予定であった「Dessaisissement」概念に対する序論的歴史的考察の研究成果は、次年度に公表することを考えている。また、研究成果を外部に発信するために、所属大学の紀要雑誌に論文を公表するとともに、所属研究会での報告も準備している。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 5件、 査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] フランス法における倒産手続の開始と委任の継続2024

    • 著者名/発表者名
      張 子弦
    • 雑誌名

      法政理論

      巻: 56巻4号 ページ: 39-69

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] フランス消費者倒産手続における免責と公告(1)2023

    • 著者名/発表者名
      張 子弦
    • 雑誌名

      法政理論

      巻: 56巻1号

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] (翻訳)プラットフォーム法の出現オンライン紛争解決プラットフォーム2023

    • 著者名/発表者名
      ソラヤ,アムラニ-メキ(著)、張子弦(訳)
    • 雑誌名

      比較法学

      巻: 57巻2号 ページ: 122-140

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 中国の個人破産と家族(下) 破産と夫婦・親子2023

    • 著者名/発表者名
      張子弦
    • 雑誌名

      戸籍時報

      巻: 834 ページ: 9-14

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] フランス民事訴訟法における弁論原則2022

    • 著者名/発表者名
      張子弦
    • 雑誌名

      蘇州大学学報(法学版)

      巻: 9巻3期 ページ: 144-159

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] フランス商法典L.651-2条(積極財産不足責任)に対する批判2022

    • 著者名/発表者名
      ルカス, フランソワ=ザヴィエ(著)張子弦(訳)
    • 雑誌名

      法政理論

      巻: 55巻2号 ページ: 92-105

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 中国の個人破産と家族(上) 破産と夫婦・親子2022

    • 著者名/発表者名
      張子弦
    • 雑誌名

      戸籍時報

      巻: 833 ページ: 16-21

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 次世代民事司法の理論と実務: 池田辰夫先生古稀祝賀論文集2023

    • 著者名/発表者名
      藤本 利一、仁木 恒夫、西川 佳代、安西 明子、濵田 雄久、李 英、吉田 直起、我妻 学、Lo?c CADIET、張 子弦、酒井 博行、髙原 知明、濵田 陽子、大江 毅、渡部 美由紀、名津井 吉裕、酒井 一、河野 憲一郎、園田 賢治、濵﨑 録、宮永 文雄、上田 竹志、山本 和彦、長谷部 由起子、内山 衛次、森 宏司
    • 総ページ数
      474
    • 出版者
      法律文化社
    • ISBN
      9784589042439
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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