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非理想理論としての構築主義的代表論

研究課題

研究課題/領域番号 22K13324
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分06010:政治学関連
研究機関北海道教育大学

研究代表者

田畑 真一  北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90634767)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワードハーバーマス / 批判理論 / 倫理 / 熟議 / デモクラシー / フォアスト / 非理想理論 / 疎外 / 代表 / 構築主義
研究開始時の研究の概要

構築主義的代表論は、同時に並立する複数の代表関係を捉えることができることから、近年本人-代理人モデルに代わる代表理解として、注目されている。しかし、構築主義的代表論は、代表関係の記述に留まるのではないかという疑義が呈されている。その核心には、同時に成立する代表関係を評価する視座を欠き、成立している代表関係を現状維持的に承認してしまうことへの危惧がある。
こうした問題は、従来の構築主義的代表論が、理想理論として、現実の歪みを考慮しなかったことで生じたと考えられる。そのため、本研究は、非理想理論としての構築主義的代表論を提示することで、複数の代表関係の間の評価を下せる理論を示す。

研究実績の概要

ゲーテ大学フランクフルトにおいて批判理論を巡るワークショップで報告を行った。具体的には、そこにおいて、批判理論における進歩の位置づけを巡る議論を参照点としつつ、日本の政治言説における「進歩・革新(progress)」という言葉の使用を検討した。検討を通じて、日本において進歩・革新がもつ独自の意味合いが示されると共に、政治言説で進歩が規範的に成立する条件が示された。
ハーバーマスの規範理論における倫理の位置づけを「自己実現」という観点から検討する報告、またその延長線上で現代の英米圏におけるヘーゲル研究との比較検討も行った。このことで、非理想理論下の代表を考える上で参照点となる「自己実現」という価値のもつ規範性が明らかにされた。
熟議デモクラシーを近年のデモクラシーの規範的擁護論研究の観点から検討する論考も発表した。デモクラシーに対する信頼が揺らいでいる近年の状況を踏まえ、熟議デモクラシー論も価値論からの新たな正当化論を模索すべきことを明らかにした。加えて、この論考を踏まえ、日本において熟議民主主義研究をリードする田村哲樹との対話も収録され、熟議民主主義研究にある違った可能性がそれぞれ確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

基礎となる研究は終えたが、構築主義的代表論を非理想理論という状況にどのように適用するのかという点については研究が十分には進んでいない。

今後の研究の推進方策

非理想理論という状況への適用のために、これまで検討してきた自律、疎外、自己実現といった価値についての考察を深め、適用への道筋をつける。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 自律からデモクラシーを擁護する ――デモクラシーの純粋な非道具主義的擁護に向けた試論――2024

    • 著者名/発表者名
      田畑真一
    • 学会等名
      政治経済学会 第15回研究大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 自律からのデモクラシー擁護論2024

    • 著者名/発表者名
      田畑真一
    • 学会等名
      オンライン政治理論研究会 定期研究報告会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Being Critical and Being Progressive:From the Use of the Word Progress in Japanese Political Discourse2023

    • 著者名/発表者名
      Shinichi Tabata
    • 学会等名
      Workshop Kritische Theorie und kulturelle Differenz: Ein Deutsch- japanischer Dialog 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 道徳と区別された倫理 ――ハーバーマスにおける「自己実現」の規範性――2023

    • 著者名/発表者名
      田畑真一
    • 学会等名
      日本倫理学会第 74 回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 人倫の必要性と道徳 ――ピピンとハーバーマスの比較検討として――2023

    • 著者名/発表者名
      田畑真一
    • 学会等名
      日本ヘーゲル学会 第3回フロンティア研究部会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 熟議民主主義と民主主義の規範的擁護論2022

    • 著者名/発表者名
      田畑真一
    • 学会等名
      社会科学のメソドロジー第4回研究会(思想と歴史班)ワークショップ「熟議民主主義を再び考える:Rethinking Deliberative Democracy」
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 『政治哲学者は何を考えているのか?:メソドロジーをめぐる対話』2024

    • 著者名/発表者名
      宇野重規・加藤晋編著
    • 総ページ数
      260
    • 出版者
      勁草書房
    • ISBN
      9784326351923
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 批判的社会理理論の今日的可能性2022

    • 著者名/発表者名
      永井彰・日暮雅夫・舟場保之編著
    • 総ページ数
      244
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      9784771036154
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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