研究課題/領域番号 |
22K13334
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田井 浩人 九州大学, 法学研究院, 専門研究員 (30878236)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 民間人材 / 中途採用 / 組織社会化 / アンラーニング / 人事行政 / 中途採用者 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の自治体組織において、民間人材(民間企業等での勤務経験を有する人材)を採用する動きが、次第に加速しつつある。本研究は、こうした民間人材の組織社会化プロセスについて、主として探索的なアプローチから分析を行う。それによって、民間人材が自治体の組織に適応すると同時に、民間人材に期待される現状変革などの役割を発揮できるような組織適応のあり方とその条件を見定めることが目的である。
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研究実績の概要 |
日本の自治体では、近年、民間人材(民間企業等での勤務経験を有する人材)を採用・活用する動きが次第に加速しつつある。こうした実務現場の動向を踏まえて、本課題は、民間人材の自治体への組織適応の実態について、組織社会化論や組織学習論の観点から分析することで民間人材の円滑な組織適応と民間人材に期待されている現状変革等の役割遂行を両立できるための条件を見定めることを目的としている。 初年度となる令和4年度は、経営学における中途採用者の組織適応研究や行政学における公共/民間部門組織の比較研究等の関連する国内外の先行研究を渉猟した。加えて、次年度に実施する予定のサーベイで用いる仮説の構築に向けて、民間企業での勤務経験を有する現役の自治体職員を対象とした半構造化インタビュー調査を実施した。 その結果、部門間をまたぐ形での転職者に関する組織(再)社会化に関する研究や組織社会化と知識活用を統合した研究はいずれも手薄であることから本課題を遂行する上では新たに理論枠組みを構築する必要があること、自治体に入職した民間人材の組織適応プロセスは本人の前職や転職理由、当初の職務イメージ・期待等の要因によって異なるパターンをたどる可能性があり、今後の仮説構築の際はこうした点を考慮する必要があることなどが示された。組織への新規参入者(中途採用者を含む)を対象とした研究はこれまで主として経営学の領域で数多くの蓄積があるものの、自治体をはじめとした公共部門、また異なる部門間の移動に関する知見はほぼ等閑視されており一種の空白地帯となっていることから、本課題はその理論的ギャップを補完する上でも重要な意義があることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では、本課題は次のようなスケジュールで遂行することを予定していた。 【1年目】先行研究の渉猟・検討および研究対象へのインタビュー調査。【2年目】民間人材の組織適応過程および革新行動の分析を目的としたサーベイ調査の実施。【3年目】民間人材の知識活用についての理論的検討と事例分析。【4年目】これまでの研究成果の統合。 そして初年度となる令和4年度は上記の計画どおり、先行研究の渉猟とインタビュー調査の実施に着手した。ただし、インタビュー調査については、当初想定していた調査対象人数を下回っており、十分な分析のためには次年度も引き続き調査を継続する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には当初の研究計画のとおりに作業を実施していくことを想定しているが、インタビュー調査の進捗にやや遅れがあることからこの作業は2年度目にも引き続き実施していく予定である。また、同様に2年度目に実施予定のサーベイ調査について、構築する仮説次第ではクロスセクション分析ではなくパネル分析の手法を用いる方が望ましい可能性があり、その場合は対象者の組織加入前後の変化を捉えるために調査の実施時期を3年度目に変更する必要が生じる。その場合は、当初3年度目に着手予定であった理論研究と事例分析の作業を優先して早期に実施することで、全体としての研究スケジュールに支障をきたさないように配慮することとしたい。
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