研究課題/領域番号 |
22K13341
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
安中 進 弘前大学, 人文社会科学部, 助教 (80880202)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生活保護 / リーマン・ショック / コロナ禍 / サーヴェイ実験 / パネルデータ / 観察データ / 福祉 / 捕捉率 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、コロナ禍で申請が増加しているとされる日本の生活保護制度がいかに運用され、この制度に対する人々の支持はいかに行われるのか、という問題を観察データと実験データの双方によって明らかにする。 観察データを用いた研究では、生活保護の受給率や捕捉率と自殺率などとの関係をリーマン・ショック以降の2000年代後半以降のデータを主に用いて検証する。サーヴェイ実験を用いた研究では、生活保護に関して人々が予め持っている知識が、「正しい」知識と大きなギャップがある点を考慮し、生活保護に対する人々の支持が、人々が事前に持っている知識の修正にどれほど左右されるのかをイデオロギーとの関係から分析する。
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研究実績の概要 |
本課題の実施中に所属先の変更があったが、生活保護に関する観察データの分析では、データ収集や整理を行ってもらうアシスタントを新たに確保し、データ収集と整理が最終段階に達している。さらに、現在は都道府県・政令指定都市レベルのデータを収集しているが、市町村レベルのデータ入手も試みており、すでに厚労省とコンタクトをとっている。現在市町村レベルでの保護率の大きな変化がメディアでも取り沙汰されており、都道府県よりも細かなレベルでの分析が喫緊の課題としてあると思われるからである。 2024年3月に国立社会保障・人口問題研究所より招かれ、主にCOVID-19の統計的問題に関して、「統計データを通して見る政治体制の差異」と題する報告を行ったが、同研究所は、官公庁から公表されるデータや分析に関する豊富な知見の蓄積があり、同研究所員との新たなコネクションを得て生活保護に関連した意見交換を行ったのも本研究にとって重要な成果であるといえる。 また、生活保護に対する人々の態度を分析する実験に関しても複数回の打ち合わせを行い、質問文等が概ね確定し、実験実施の直前段階にある。調査に必要なアンケートの入力もほぼ終了しており、最終年度の早い段階で倫理審査を申請し、さらに質問文の事前登録(preregistration)を行い、実験実施に備える。生活保護に関する世論の実験研究は、ほぼ日本で行われていないようであり、誤解も多い同制度に対する人々の意識を詳しく分析する必要性がある。 上述のように、本課題は観察データを用いた研究と実験を用いた研究の双方で進展があり、さらなる成果への土台が整ったといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
観察データの進捗に関しては、所属先の移動の影響を受けて、データ収集作業に当たってもらうアシスタントを新たに探さざるを得なくなったが、速やかに複数人を確保し、その後はデータ収集と整理が順調に進んでいる。 実験実施に関しても移動の影響で一時的な遅れが生じたが、現在は概ね準備が完了しており、最終年度での実施と分析を予定している。 こうした状況から考えると、本課題は比較的順調に進んでいると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
生活保護に関する観察データの分析は、データ収集と整理が最終段階に達している。今後は本年度の早い段階で分析を進める予定である。さらに、それと同時に、現在は都道府県・政令指定都市レベルのデータを収集しているが、市町村レベルのデータ入手も試みており、より詳細な分析を可能にする準備を進めている。実験に関しても質問文等が決定し、実験実施の準備段階にある。最終年度の早い段階で倫理審査を申請し、さらに質問文の事前登録(preregistration)を行い、実験実施に備える。
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