研究課題/領域番号 |
22K13346
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
渡辺 敦子 金沢大学, GS教育系, 准教授 (10821837)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | Territory / Indo-Pacific / Space / Conceptual history / Politics / Geography / 国際秩序 / 領土 / 概念史 / 空間 / グローバル化 |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化により、人間の世界観は同質化したのか、多様化したのか。本研究は、近年国際政治学で見直しが進んでいる「territory/領土」概念が、近代日本でどのように受容されてきたのかを明らかにすることで、この問いに貢献することを試みる。領土は、人間社会を空間化し、人間の行動を規定する。この概念は近代国家システムとともに欧州から拡大し単一の「国際社会」を形成したと考えられるが、日本のように社会空間概念がが異なっていた社会は、領土をどう受容したかのだろうか。本研究は、社会空間認識に焦点を当て、領土概念がグローバル化の過程においてどのようにローカル化されたのかを、日本を例として調べる。
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研究実績の概要 |
2023年度の研究は、昨年度から引き続き、領土概念に関連するものとして海洋地域関連概念、とくに現在、日本の外交政策において最も重要な概念となっている「インド太平洋」についての研究を中心に行なった。この結果、査読つき国際学術誌International Political Sociology誌に論文 ”Socio-Spatial Multiplicity in World Politics: Non-Western Regional Imaginations of the Indo-Pacific”を掲載することができた。さらに現在、歴史と国際関係理論についての国際共著論文一編が査読中である。 学会発表などとしては、以下が挙げられる。まず、8月には東京でInternational Studies Association Asia-Pacific Regional Conference で発表を行った。9月にはドイツのGerman Institute for International and Security Affairsにおいて、「インド太平洋」概念についてのChris Wirth博士と欧州の研究者約10人を招き、シンポジウムを共同開催した。さらに同月、ポツダムで行われた欧州政治学会において研究発表を複数行った。10月には英国のダーラム大学で講義を行った。さらに2月には英国のウォリック大学とダーラム大学において、発表論文についての研究セミナーを行った。いずれも多くの海外研究者、政策当局者から激励と、有意義なフィードバックを得ることができたと同時に、新たな人脈開拓と次の共同研究へと繋げることができた。 特に査読論文については、国際関係論のみならず学際的に権威あるジャーナルであり、批判的な見地からユニークかつ有意義な国際的貢献を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
同研究は2022年から始まり、2年目である。既に権威ある国際査読誌に2本の論文を掲載できており、最終年度に向けて確実に成果を上げることができている。また、論文掲載が、新たな共同研究の開拓につながっている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は2023年同様に、論文執筆と学会発表、最新の研究についての情報収集を中心に行い、最終的には英文の単著にまとめられるよう考えていく。また今年度は、2022年に発表した論文(査読つき学術誌スペシャルイシューの一部)をもとにした英文論集の発表を予定している。また、国際共同研究の範囲をさらに広げ、研究者間の国際連携を進めていきたい。
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