研究課題/領域番号 |
22K13382
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
中川 万理子 一橋大学, 経済研究所, 講師 (30779335)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | エスニシティ / 居住域 / 政治的中心性 / エスニック居住域 / 空間経済 |
研究開始時の研究の概要 |
多様なエスニック・グループで構成される国では、エスニシティごとに付与される政治的権力の度合いに差がある場合がある。本研究課題では、そうした多エスニシティ国家において、各エスニック・グループが有する政治的権力の強弱がどのような社会経済的影響をもたらすのかについて、夜間光データ等を利用して、3つのサブテーマを分析する: (i) 政治的中心度が経済水準に与える影響、(ii) 政治的権力のエスニシティ間不平等度が政府の質に対して与える影響、(iii) 国境で分断された同一エスニシティが、各居住国で付与される政治的中心度に応じて、どの程度異なる経済水準になるか。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、複数のエスニシティが存在する国家(多エスニシティ国家)において、各エスニック・グループが有する政治的権力の強弱がどのような社会経済的影響をもたらすのかについて、実証空間経済学で近年活用が進んでいる夜間光データ等を利用して分析する。本研究課題では3つのサブプロジェクトを分析する予定である: (i) 政治的中心度が経済水準に与える影響、(ii) 政治的権力のエスニシティ間不平等度が政府の質に対して与える影響、(iii) 国境で分断された同一エスニシティが、各居住国で付与される政治的中心度に応じて、どの程度異なる経済水準になるか。 これらのサブプロジェクトの実行に必要な基盤データの構築作業(夜間光のエスニック居住域ポリゴンごとの集計作業等)が膨大で当初予定よりも順調に進まなかったため、初年度である令和4年度は、多エスニシティ国家における文化受容の様相を、財の消費の観点から理論分析した。その理論的結果を支持する現実の事例(例えば各エスニックグループの居住人口シェアと当該エスニックグループに対応する飲食店数の関係)についても統計的検定等を行い、現実との整合性を確認した。この研究内容は本研究課題に密接に関連する事象であるため、当初予定を変更して実施するに至った。研究成果は、“Do People Accept Different Cultures?”として学術論文として仕上げ、査読付き国際誌のJournal of Urban Economicsに令和4年度に掲載された。 基盤データについては、研究計画書に記載のデータソースを利用して、引き続きエスニックポリゴンごとの夜間光などのラスターデータの集計作業を行うなどし、データ構築作業を進めている。また、研究計画書で言及している基盤データ以外のデータ(メカニズムを分析するための各種データ)も随時確認作業を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画を若干変更したものの、多エスニシティ国家におけるグループ間の相互受容について一定の分析を行い、査読付き国際誌にすでに掲載されたため、ひとまずの実績を得た。また、当初予定のデータ構築については引き続き実行中であり、令和5年度以降の研究進展の基盤データを構築中である。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は基盤データや他の関連データ、メカニズムの検証に必要なデータ等の構築を進めながら、研究計画書に記載のサブプロジェクト「(i) 政治的中心度が経済水準に与える影響、(ii) 政治的権力のエスニシティ間不平等度が政府の質に対して与える影響、(iii) 国境で分断された同一エスニシティが、各居住国で付与される政治的中心度に応じて、どの程度異なる経済水準になるか。」を順次遂行していく。
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