研究課題/領域番号 |
22K13408
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
白 映旻 福山大学, 経済学部, 講師 (00844185)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 国際投資協定 / GVC / 海外直接投資 / 地方企業 / GVCs / 企業の異質性 / 中核-周辺モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「地方企業のGVC参加の決定要因」と「地方企業のGVC参加による生産性向上効果」を分析する。日本の地方経済は、グローバル化による国内生産拠点の再編から生じる負の影響と少子高齢化による労働不足や国内需要不足の問題に直面している。この問題をGVCの観点から考えると、地方企業のGVC参加による安い中間財の輸入は労働の間接的な輸入を意味し、世界市場への輸出は市場拡大による需要拡大を意味するため、多くの地方企業がGVCに参加することによって地域経済の活性化が期待できる。従って、地方企業のGVC参加を分析することは、地域経済に密接に関係しており、今後の経済政策においても重要であると考えられる。
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研究実績の概要 |
2022年度には、この研究課題の事前研究として、日本企業のGVC参加に重要な役割を果たす国際投資協定(international investment agreements, IIAs)が日本企業による対外直接投資への促進効果を検証した。 その成果(論文名:Impact of International Investment Agreements on Japanese FDI: A firm-level analysis.)を、国際雑誌のThe World Economyに掲載した。 従来の研究の多くがIIAの有無のみに着目していたのに対して、この研究ではIIAの質およびIIAに関する紛争の有無に着目した。分析結果から、日本とのIIA締結が、IIA相手国の日本企業による直接投資先として選ばれる確率を上昇させることや包括的な内容を含むIIAや高品質のIIAの締結は同確率を上昇させることが明らかになった。また、IIA締結によって直接投資先として選ばれる確率は制度が整備されていない国において大きく上昇すること、さらに、投資紛争の経験が少ない国や制度が整備されている国は直接投資先として選ばれる確率が高いことも示された。上述したような傾向は中小企業や製造業に属する企業において特に強い。これらの分析結果から、日本企業のGVC参加や直接投資を引き付けるための政策に関して有益な示唆を得ることができる。第一に、直接投資拡大にはIIAが有効である。第二に、IIA交渉においては、IIA発効後に紛争を発生させないようなIIAを締結できるように、綿密に準備をして慎重に進めなければならない。第三に、法制度を始めとして規制制度など様々な制度を整備することが重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在まで次の3点の作業を行い、順調に進展している。 1.事前研究として、日本の国際投資協定(international investment agreements, IIAs)が日本企業による海外進出に与える影響を定量的に分析し、その結果を国際雑誌に発表した。 2.地方企業のGVC参加について、地方企業を対象に企業インタビュー調査を実施し、定性分析を行なった。 3.下の「今後の研究の推進方策」に書かれている個表データ以外の地域レベルのデータを収集した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に経済産業研究所(RIETI)を通じて次の個表データを申請した。2023 年度下半期(約11月)にはデータを提供してもらう予定であり、すでに収集した地域レベルのデータとその個表データをマッチングして、定量分析を行う予定である。 経済産業省の経済産業省企業活動基本調査、工業統計調査、商業統計調査、経済センサス-活動調査(卸小売業、製造業)、経済構造実態調査(製造業)、総務省の経済構造実態調査(卸小売業)、東京商工リサーチ(TSR)の企業情報ファイルおよび企業相関ファイルのデータ
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