研究課題/領域番号 |
22K13416
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
李 慧慧 神戸大学, 経済学研究科, 講師 (00907686)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 教育政策 / 高校の授業料無償化 / 中学校給食 / 教育アウトカム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、人的資本の視点から、中等教育段階における教育政策が、低所得層の子どもの教育成果に及ぼす影響について検証する。 従来、教育政策の効果の評価については、初等教育政策あるいは高等教育支援政策に関する研究が中心であり、子ども貧困に注目し、世帯所得の異質性を考慮した中等教育段階における教育政策への評価が十分に捕捉されてこなかった。そこで、本研究では、食育の推進に関する中学校給食支援ならびに高校授業料の無償化といった教育政策の効果に対する実証的検討を行う。本研究により、人的資本の蓄積が重要な中等教育段階における教育政策の効果への評価の重要さが示唆される。
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研究実績の概要 |
本研究は,日本の子ども貧困に着目し,日本の中等教育段階における教育政策の貧困世帯に対する効果の存在や大きさを明らかにすることで,世帯所得の異質性を考慮した中等教育段階における教育政策へ評価した上,子どもの貧困状況の改善に資する政策的含意を得ることを目的とする。 まずは,貧困児童の支援を目的とする国内外における政策の効果のサーベイを行った。この研究では,人的資本の蓄積が重要な中等教育段階における学校給食と高等学校授業料無償化という二つの教育政策に焦点を当て,この二つの教育政策の歴史をまとめたうえで,教育機会の均等の視点から子どもの貧困の問題への対処のための教育政策の教育成果などへの影響に関かわる実証研究を概観した。学校給食に関する分析においては,諸外国の従来研究では学校給食への参加の規定要因と給食の摂取が教育成果などを向上させることが明らかにされている。高等高校授業料無償化に関する分析においては,高校教育費の補助が世帯所得階層間の教育格差ならびに学校間の教育格差を拡大させる可能性があることが明らかにされてきた。 また,高校無償化政策に着目し,教育支援策の効果を検証する作業などを行った。入手済みの政府統計データの調査票情報を利用し,集計分析を実施したうえ,公的補助が家計の消費行動と貯蓄行動にどのような影響を与えるかを試して分析した。推計の結果,所得制限にかかる家計においても,高校授業料の無償化政策は,統計的に有意に子どもの補助教育費用(学習塾代等)と貯蓄額を上昇させることが示された。しかし一方で,全面無償化により教育格差が親の経済背景を通じてよりいっそう広がる可能性も示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サーベイ論文の執筆が完了して,すでに公開された。また,大規模データを迅速に処理するためのPCやソフトウェアなどを配置したことで,高校の授業料無償化に関するデータの集計・分析作業を効率的に実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
政府統計データなどを改めて申請し,引き続きデータ構築を行い,情報が整理され次第,分析作業をし続ける。具体的には,高校無償化政策に関する分析については分析作業を行い,研究成果を学会などで公開すること;中学校給食に関する分析については,統計データを入手してから分析作業を行うことである。
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