研究課題/領域番号 |
22K13433
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 敬愛大学 (2023) 東京理科大学 (2022) |
研究代表者 |
吉田 直広 敬愛大学, 経済学部, 講師 (90829855)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | バブル / 証券価格モデル / 確率過程 / ファイナンス / 指値注文 / 金融バブル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,指値注文帳モデルの研究と金融バブルの研究を融合させ, 指値注文帳モデルを構成する変数を操作することで金融バブルの発生と崩壊を制御する方法を調べることである. まず,制御可能な変数で構成される新しい離散時間の指値注文帳モデルを定義する.そこから導かれる証券価格モデルは数秒単位の時間スケールの小さなものだが,その時間単位についての極限を考え,日次や週次のように大きな時間スケールの連続時間証券価格モデルを導出する.さらに,その価格モデルは既存の金融バブルモデルを内包するものを開発する.そして,そのモデルを用いてバブルの発生と制御の方法を指値注文帳モデルの変数によって記述する.
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研究実績の概要 |
本研究は金融バブルを含む証券価格モデルを,まず投資家のミクロ投資行動モデルを定義し,そこから投資行動の集合体としての指値注文帳モデルを導き,さらに証券価格モデルを導出する,というようにミクロからマクロへ各モデルを関連付けて構築することを目指している. 2023年度は,バブルを起こしうる投資家のミクロ投資行動について,得られた研究の論文出版と学会での研究発表を行った.この研究のモデルは投資家が多くいるエージェントベースモデルであり,投資家たちはバブルの終了時点のそれぞれの予想値をもとに証券の注文を行う.このモデルにおけるバブルは有限時間のうちに価格が無限大に発散するという特徴を持っている.2023年度に発表した研究結果ではこの投資家たちの離散時間投資行動のモデルからそれが形成する連続時間証券価格モデルの特徴を調べた.論文は査読付き国際学術雑誌に1つ掲載され,また国際学会において発表を1件行った. この他にも数学の研究を行い上記に加えて5本の査読付き論文を出版し国内学会で1件の発表をした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2023年度は査読付き国際学術雑誌に6本の論文を掲載し,国際学会で1件と国内学会で1件の研究発表を行うことができ,これは当初の想定を大きく上回る成果であったから.
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今後の研究の推進方策 |
今までの研究で得られたバブルモデルは証券価格が超指数関数的に発散するという特徴だけを持っている.しかし,バブルについて知られている価格過程の特徴はほかにもある.例えば対数周期的なゆらぎなどである.今後はモデルにそのような特徴も持たせられるようシミュレーションとそれにもとづく数理的な研究を行う予定である.
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