研究課題/領域番号 |
22K13437
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
野島 栄莉子 (内木栄莉子) 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (50780350)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 企業金融 / 起業家 / 金融機関 / 現金保有 / 銀行借入 / 企業向け融資 / ソフト情報 / ハード情報 / 銀行 / ベンチャーキャピタル / 資金調達 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、銀行とベンチャーキャピタル(VC)の資金調達手段としての違いとそれぞれの資金供給プロセスについて検証する。具体的には、将来性のある企業を見抜く「スカウティング」と企業を育成し付加価値を創出する「コーチング」に注目した実証分析を行う。このような分析により、近年の研究においてVCよりも劣ることが示されている銀行の付加価値能力の向上に向けた知見を得ることを目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度は、以下のとおり、起業家および企業の業績や資金調達、現金保有に関する論文の改訂・執筆を行った(いずれも大鐘雄太氏(南山大学)との共著)。 第一に、起業家の動機が業績に与える影響について検証した論文の改訂を行った。本論文では、生計確立型起業家と事業機会型起業家を動機によってさらに細分化して起業家の異質性をコントロールすると、両タイプの起業家のなかでも業績が異なることを明らかにした。改訂した論文は、海外の査読付き学術誌International Entrepreneurship and Management Journalへの掲載に至った。 第二に、2008年の金融危機時に銀行の健全性が企業の現金保有に与えた影響について検証した論文の改訂を行った。本論文では、2008年の危機時に、メインバンクの毀損は企業の現金保有を増加させていたこと、さらに、この傾向はメインバンクとのリレーションシップが不安定な企業で顕著であったことを明らかにした。改訂した論文は、海外の査読付き学術誌Journal of Corporate Financeへの掲載に至った。 第三に、非上場企業の現金保有行動に関する論文を執筆した。本論文では、非上場企業は銀行借入が利用できなければ余剰現金を保有すること、また、このような現金保有は予備的動機に基づくものであることを明らかにした。 また、上記の論文の改訂・執筆にくわえて、銀行やベンチャーキャピタルからの資金調達について、起業家を対象とした「起業家の資金調達に関する実態調査」を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、実施予定だった銀行とベンチャーキャピタルからの資金調達に関する企業向けアンケートを実施できたこと、また、「研究業績の概要」に記載したとおり、2つの論文が海外の査読付き学術誌への掲載に至った。したがって、本研究課題は、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に実施した「起業家の資金調達に関する実態調査」によって収集したデータを使用した分析を行い、論文としてまとめる予定である。また、現在、投稿中の論文の改訂作業も進めていく。
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