研究課題/領域番号 |
22K13454
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
高井 計吾 長崎大学, 経済学部, 助教 (50895505)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | バイオベンチャー / ネットワーク / 出口戦略 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、バイオベンチャーによる提携ネットワークの構築・転換が、出口戦略へ及ぼす効果を解明することを試みる。経営資源が乏しいバイオベンチャーにとって、他組織との提携を通じて資源を獲得し、成長志向性に応じた出口戦略を追求することが重要となる。本研究では提携関係をネットワークとして捉え、分析する。さらに本研究は、アントレプレナーシップ研究や個々の企業のケーススタディに留まっていた「バイオベンチャーの出口戦略」を提携ネットワークという形で定量的に捉え直すことで、ベンチャー企業の成長・存続に関わる議論に新たな知見をもたらすものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、バイオベンチャーによる提携ネットワークの構築・転換が、出口戦略へ及ぼす効果を解明することを目的とし、2022年度より研究を開始した。2年目にあたる2023年度では、前年度に引き続き、ライセンシング、M&A、取引先に関するプレスリリース等、バイオベンチャーの資本・研究開発・販路に関するデータを収集した。ただし、前年度契約先候補として選定した、有償提供されている商用のデータベースでは、研究計画に記したデータの包括性に欠けていることがわかった。この点を補うために引き続き、複数のデータ源にあたって横断的なデータベース構築を行った。 また、データベースの構築とは別に、バイオベンチャーの出口戦略に関する先行研究をまとめ、ベンチャー研究におけるマクロ組織論的視点においてリサーチギャップが存在することを計量書誌学的手法を用いて示し、今後の研究発表の理論的基盤の構築に努めた。 さらに、未だ具体的な研究成果の発表には至っていないが、取引先に関するネットワーク構造については、プレスリリース等のバイオベンチャーの資本・研究開発・販路に関して現時点までに収集できているデータを用い、提携ネットワークの構築プロセス、さらには出口戦略にどのように影響するのかに関して予備的分析を行った。結果として、大学発、子会社などのバイオベンチャーの性質の違いが、提携ネットワーク構築と成長に応じたネットワークの転換に影響していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前年度に引き続き、本研究で用いる、ライセンシング、M&A、取引先に関するプレスリリース等、バイオベンチャーの資本・研究開発・販路に関するデータを収集し、データベースの構築に努めた。 しかしながら、分析において必要なデータの種類と市場で提供されている有償データのマッチングが必ずしも研究計画に沿った形で得られず、前年度に引き続き多くの時間と労力をデータベースの拡充に割り当てざるを得なかった。 以上の理由で、本研究は計画よりも遅れており、研究成果も当初の予定通りには発表できていないのが現状である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は採択課題の最終年度であり、3年間の研究期間における一定の成果として、学会報告、研究論文のいずれかの形で研究成果の発表を行いたい。 しかしながら、進捗状況欄記載のとおり、本研究は当初研究計画において想定していたデータの包括性が確保できず、データベースの構築に遅れが生じている。 以上をふまえて今後の研究では、企業データの拡充と同時に、現在まで構築したデータベースを用いたネットワーク分析を行い、バイオベンチャーのネットワークと研究開発成果、そして出口戦略との関係について明らかにし、得られた成果は学会報告を行い、研究論文にまとめることで公表していきたい。
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