研究課題/領域番号 |
22K13477
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
羽田 祥子 京都大学, 経済学研究科, 特定助教 (00938988)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | オープンイノベーション / スタートアップ / 起業家 / 起業エコシステム / 定性研究 / 企業間提携 / 提携相手選択 / 起業家の学習 |
研究開始時の研究の概要 |
既存企業が起業エコシステムに関わる機会が2010年代から急速に増加した。一方で、スタートアップからは知財盗用等の被害が多く聞かれ、公正取引委員会(2020)の実態調査は既存企業による優越的地位の濫用を指摘している。本研究は、技術や知見を核に成長を目指すスタートアップと起業家がどのように既存企業との関係性をマネジメントしているのか、防御や相手選択等に焦点を当てて理論的に説明する枠組みを検討する。企業間提携やイノベーションの研究に貢献するとともに、関係相手との望まぬ衝突や得るべき果実の喪失を回避してオープンイノベーション促進に資する、実務的な知見の提供を目指す。
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研究実績の概要 |
スタートアップとそれを率いる起業家が、技術や知見を核とし自社の成長を目指す手段のひとつとしてオープンイノベーションを志向しつつ、その関係性の構築・継続から生じうる自社への不利益をどのように回避してオープンイノベーションの関係性をマネジメントしているのか、理論的に説明する枠組みを検討する。大企業自らが新規事業開発を手掛けることが多い日本では、スタートアップによる新事業創出と大企業による買収といういわば循環的な仕組みが従来から存在する米国と異なり、新規事業開発の市場におけるスタートアップと既存企業の競合が発生する状態にある。オープンイノベーションを、これまで議論されてきた既存企業の外部能力活用という視点ではなく、関係相手側のスタートアップの立場から議論することによって、その関係の非対称性の本質を追求して、オープンイノベーションへの理解の深耕を図る。本年度は、起業家50名への探索的インタビューの定性的分析から、提携相手選択への起業家の感情の影響を議論して採択された『組織科学』誌と、起業家がどのようにオープンイノベーションの関係性マネジメントに関する知恵を身に着けたのかを議論した論文が収載された書籍が発行された。いずれもオープンイノベーションおよびその関係性における起業家への理解を深めるものであり、理解不足から生じる意図せざる衝突を回避して実りある成果を得る良好な関係性構築に資する実務的意義がある。また引き続きインタビューデータの分析を深めるとともに、新たに起業家や起業エコシステムを支える団体等への聞き取りと分析、文献調査を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
起業家登壇のオープンイノベーション関連イベント等への参加を通じて、情報収集やインタビュー依頼、その後の聞き取りなどを始めることができ、関連団体などへの聞き取りなどにも発展した。全体的にみると、スケジュールが合わない等の理由から十分に進められている状態には達していないが、本年度も引き続き探索と情報収集とを進めて、学会等での意見交換も含めて分析をおこなう予定である。
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今後の研究の推進方策 |
技術や知見を核として自社の成長を企図するスタートアップと起業家がその手段として既存企業とのオープンイノベーションを志向しつつ、その関係性から生じる不利益をどのようにマネジメントしているのか、理論的に説明する枠組みを引き続き検討する。重点を置く具体的な論点は、防御、相手選択、知恵の学習、の3点であり、引き続きインタビューデータの分析と新たなインタビューの実施、文献調査を進めて、学会等での意見交換を行い、分析を深める予定である。
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