研究課題/領域番号 |
22K13504
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
神田 正樹 京都先端科学大学, 経済経営学部, 准教授 (90882770)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | エンゲージメント / マルチアクター・エンゲージメント / 消費者エンゲージメント / プラクティス / 市場形成 / コレクティブ・エンゲージメント / アクター |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、企業-顧客-消費者のような2者間を超えたコレクティブ(集合的)エンゲージメントの基本的命題と概念的枠組みを開発することである。現代のビジネス環境では、直接的な関係性を超えた相互作用が発生するため、社会的、集団的な性質を反映する「コレクティブ・エンゲージメント」の探究が要請される。本研究では、集合的なエンゲージメントについて理論的に概念整理し、3年間にわたる縦断的調査と混合研究法を採用した多面的な分析を行うことで、「コレクティブ・エンゲージメント」の関連概念を含む基本的命題と概念的枠組みを開発し、将来のエンゲージメント研究と市場形成を促進・強化するマーケティングの実践に貢献する
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研究実績の概要 |
初年度の研究実績は、以下の2点に整理することができる。 第一に、単著書籍『マーケティングにおけるエンゲージメント-市場形成に向けた価値の共創-』において、マーケティング分野におけるエンゲージメント概念の性質を再考し、焦点ブランド/企業の「ヒト」という重要な経営資源(顧客、従業員、生産者)のマルチアクターのエンゲージメントに焦点をあて、マルチアクターの「包括的エンゲージメント・プロセス」と「エンゲージメントの接続性」からなる概念的枠組みを構築した。当概念的枠組みには、今後の研究のためのマルチアクターのエンゲージメントのための5つのトリガー、先行要因、結果要因を含んでおり、次年度以降の経験的研究の理論的背景や仮説となることが期待される。 第二に、2021年度に実施した事前調査データ(n=195)を用いて、ファッションブランドに対する消費者エンゲージメントに関連する共通のプラクティスを探究した。その研究成果は、査読付論文「ファッションブランドに対する消費者エンゲージメントの探究」(『消費経済研究』第11号, 118-132) に結実しており、国内アパレル市場のファッションブランドに対する消費者エンゲージメントにどのような特性があるのか、そして、COVID-19による行動制限が消費者エンゲージメントにどのような影響があるのかを、計量テキスト分析ソフトウェアを利用して分析した。これにより、特定ブランドに対する消費者のエンゲージメントと消費者のプラクティスの関係を整理することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、先行研究の発見事項の整理と統合を通じて、エンゲージメント概念の理論的背景の整理と仮説を導出することであり、進捗状況については、おおむね順調に進展している。その理由は次の2つである。 (1) 経験的研究に向けて、マルチアクター・エンゲージメントの概念的枠組みを構築したこと コレクティブ・エンゲージメント研究を行うにあたって、複数の行為者が共有する社会的相互作用を伴う集合レベルのエンゲージメントに焦点をあてる必要がある。初年度は、単著書籍において、先行研究の発見事項を整理・統合することを通じて、マルチアクター(顧客、従業員、生産者)のエンゲージメントのための概念的枠組みを構築している。
(2)エンゲージメントに関連するいくつかの共有されたプラクティスを特定したこと 特定の社会空間において共有されている物事のやり方、すなわち「プラクティス概念」をマーケティング分析に適用することによって、社会的文化的な視点から行為者の行為を説明することが可能となる。初年度は、ファッションブランドを対象とした消費者エンゲージメントに関連する、消費者に共有されたいくつかのプラクティスを特定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り、シェアリングエコノミーの研究文脈における関連アクターのエンゲージメントに焦点をあてて縦断的調査を行う。 2023年度は、企業・利用者(顧客)間,利用者・サービス提供者間、利用者・消費者(潜在顧客) 間の複数行為者の相互作用を探究するために、UberEatsの探索的調査を行い、仮説を導出する。
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