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消費者の意思決定方略と情報提示様式の検討-消費者支援に向けて-

研究課題

研究課題/領域番号 22K13506
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分07090:商学関連
研究機関東京理科大学

研究代表者

井出野 尚  東京理科大学, 経営学部経営学科, 教授 (40805628)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード多属性意思決定 / 消費者行動 / 情報モニタリング法 / 意思決定方略 / 情報提示様式 / 意思決定スタイル / 提示様式
研究開始時の研究の概要

本研究は、購買場面での意思決定過程の検討のために、1)情報モニタリング法を応用した実験手法を開発し、2)選択の評価にコンジョイント分析を用い、3)深層学習を用いた方略の推定方法を開発し、情報提示様式と意思決定方略そして選択との関連を明らかにする。これらの知見から、消費者が主体的に意思決定をしやすい情報の提示様式を提案する。

研究実績の概要

本研究は、多属性情報の呈示様式と意思決定過程の関連を検討し、消費者の意思決定支援に向けた呈示様式の提案を目的とする。具体的には、購買場面を題材として、意思決定過程の検討のために、1)情報モニタリング法を応用した実験手法を開発し、2)選択の評価にコンジョイント分析などを含めた評価方法を開発し、3)深層学習を用いた方略の推定方法を開発し、情報提示様式と意思決定方略そして選択との関連を明らかにする。これらの知見から、消費者が主体的に意思決定をしやすい情報の提示様式の提案を、目的としている。
2023年度は、情報モニタリング法を応用した実験とコンジョイント分析を併用した実験を複数実施した。情報モニタリング法の実験では、実験画面の操作と反応の測定を行うコンピュータ・プログラムの開発と、アイカメラで取得したデータの分析手法を検討している。実験結果の一部を、2024年度に国際学会での発表を予定している。また個人の意思決定スタイルを測定するために、意思決定尺度を開発し、意思決定スタイルと選択行動との関連について、国内学会での発表を行った。そして、深層学習を用いた選択の予測のモデルを2022年度から提案しているが、改善を継続的に試みている。その成果は、複数の学会で発表を行っている。さらに、属性値の提示方法と意思決定方略との関連を検討したこれまでの知見をもとに、消費者にとって決めやすい情報提示様式について、医療系の国際学会にて講演を行った。
発展的課題として、多属性意思決定の研究の枠組みを投票などの合意形成場面へ応用することを試み、学会で発表を行った。また、コロナ禍やSNSなどの情報感情といった、社会的状況の変化が与える意思決定への影響について調査を実施し、複数の学会にて発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、多属性情報の呈示様式と意思決定過程の関連を検討し、消費者の意思決定支援に向けた呈示様式の提案を目的としている。
2023年度は、シミュレーションを用いた意思決定方略の検討を行い、5件の学会発表を重ねることができた。また、情報モニタリング法を用いた実験を、3件行うことができ、その一部を2024年度の国際学会での発表を予定している。実験手法の開発に向けた、予備的な検討も含めて、実験を行えたことにより、次年度に予定している深層学習を用いた意思決定方略推定プログラムの開発用のデータを取得できた。また、シミュレーションを用いた決定方略のプログラムの開発も進展しており、これまでの知見を一部学会などで公表している。さらに、社会的状況の変化と意思決定との関連を検討するという、発展的課題にも着手でき、学会発表も複数行うことができ、多属性意思決定研究の応用可能性について、検討することができた。
これらから、1)情報モニタリング法を応用した実験手法を開発し、2)選択の評価にコンジョイント分析などを含めた評価方法を開発し、3)深層学習を用いた方略の推定方法を開発し、情報提示様式と意思決定方略そして選択との関連について検討を行うといった、本研究計画は、概ね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

2024年度は、これまで行った情報モニタリング法を用いた実験結果を用いて、深層学習による意思決定方略の推定方法の開発を行う。また、消費者の決定しやすい情報提示様式について、多属性表のレイアウトと属性値の提示様式について、これまで複数の実験を行い、学会での発表を行ってきた。これまでの知見に基づき、消費者の決定しやすいレイアウトと属性値の提示湯式について発信していく。さらなる課題として、時間的制約や、割引や限定情報などの付帯情報の選択への影響について、これまで開発を行ってきた情報モニタリング法と選択結果の評価方法をも用いて、検討を試みる。
実際の意思決定場面では、提示される情報自体が恣意的である場合もあり、必ずしも消費者にとってフェアな情報提示がなされているとは限らない。そこで、不完備な情報提示の状況での意思決定方略について、実験を行うことを予定している。また選択結果の評価方法についても、検討を行って行く必要がある。また、発展的課題として合意形成場面への多属性意思決定研究の応用を試みていく予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (23件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Avoiding the Worst Decisions: A Simulation and Experiment.2023

    • 著者名/発表者名
      Takemura, K., Tamari, Y., and Ideno, T.
    • 雑誌名

      Mathematics

      巻: 11 号: 5 ページ: 1-28

    • DOI

      10.3390/math11051165

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] The Relationship Between Fear of Isolation and Thinking Ability about Social Issues2022

    • 著者名/発表者名
      Hayashi, M., Ideno, T., Takemura, K.
    • 雑誌名

      Japanese Psychological Research

      巻: 64 号: 1 ページ: 1-9

    • DOI

      10.1111/jpr.12433

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Patient Safety Promotion Based on Patient Centered Care -Toward understanding the consumer decision-making process.2024

    • 著者名/発表者名
      Takashi Ideno
    • 学会等名
      he 1st Academic Conference of Safety Psychology and Behavior for Healthcare (1SPBH), jointly with The 11th World Congress of Clinical Safety (11WCCS) Tokyo University, Japan
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 質問紙による意思決定スタイルの測定と選択行動の検討 -弱順序の公理に関する質問項目を用いて2023

    • 著者名/発表者名
      井出野尚・森井真広・玉利祐樹・竹村和久・岡田光弘
    • 学会等名
      日本行動計量学会第51回大会,青山学院大学 青山キャンパス
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ハラスメントに関する“否定的ラベル”が行為者の印象に及ぼす影響の検討2023

    • 著者名/発表者名
      井出野尚・林幹也・玉利祐樹・竹村和久
    • 学会等名
      産業・組織心理学会第38回大会, 静岡県 静岡県立大学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ソーシャルメディアにみられる他者非難に対する態度と消費者行動との関連の検討2023

    • 著者名/発表者名
      井出野尚・林幹也・玉利祐樹・川杉桂太・森井真広・竹村和久
    • 学会等名
      第67回消費者行動研究コンファレンス, 京都府 京都産業大学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 集団意思決定の 数理モデルと計算機シミュレーション2023

    • 著者名/発表者名
      村上始・川杉桂太・玉利祐樹・井出野尚・中丸麻由子・竹村和久
    • 学会等名
      日本行動計量学会 第51回大会,青山学院大 学 青山キャンパス
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 決定方略の計算機シミュレーション2023

    • 著者名/発表者名
      玉利祐樹・井出野尚・竹村和久
    • 学会等名
      日本行動計量学会第51回大会,青山学院大学 青山キャンパス
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 投票者間に相関 を持たせた陪審定理のシミュレーション2023

    • 著者名/発表者名
      村上始・川杉桂太・玉利祐樹・井出野尚・中丸麻由子・竹村和久
    • 学会等名
      産業・組織心理学会 第38回大会,静岡県立大学 草薙キャンパス
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] カルバック・ライブラー情報量を用いた消費者の選好解析―コントラストモデルによる検討―2023

    • 著者名/発表者名
      石部志歩・玉利祐樹・井出野尚・竹村和久
    • 学会等名
      第67回消費者行動研究コンファレンス, 京都府 京都産業大学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] テイラー級数展開による決定方略の分析2023

    • 著者名/発表者名
      玉利祐樹・井出野尚・竹村和久
    • 学会等名
      第67回消費者行動研究コンファレンス, 京都府 京都産業大学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 決定方略による選択の評価-計算機シミュレーションによる検討-2023

    • 著者名/発表者名
      玉利祐樹・井出野尚・竹村和久
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会, 兵庫県 神戸国際会議場
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 会議の目的の理解と意思決定傾向の検討-議題差別化課題と意思決定尺度を用いて-2023

    • 著者名/発表者名
      井出野尚・林幹也・玉利祐樹・川杉桂太・竹村和久
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会, 兵庫県 神戸国際会議場.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 権威主義的態度は社会的問題への思考力を低下させるか2023

    • 著者名/発表者名
      林幹也・井出野尚
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会, 兵庫県 神戸国際会議場
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 中庸的意思決定について2023

    • 著者名/発表者名
      李 之林・井出野 尚・楊 政達・竹村和久
    • 学会等名
      日本理論心理 学会第69回大会,東北大学川内南キャンパス
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] コントラストモデルを用いた消費者の選好解析2022

    • 著者名/発表者名
      石部志歩・玉利祐樹・井出野尚・竹村和久
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 時間知覚とエントロピーの関係の検討2022

    • 著者名/発表者名
      玉利祐樹・石部志歩・井出野尚
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 状況が不明確な言明に対する判断傾向の検討--出現頻度が高いと想定される言明を用いて2022

    • 著者名/発表者名
      井出野尚・林幹也・玉利祐樹・竹村和久
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 社会場面における謝罪対象に関する検討2022

    • 著者名/発表者名
      井出野尚・林幹也・玉利祐樹
    • 学会等名
      日本社会心理学会第63回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 眼球運動測定を用いた多属性意思決定過程の検討2022

    • 著者名/発表者名
      井出野尚・玉利祐樹・森井真広・竹村和久・岡田光弘
    • 学会等名
      日本行動計量学会第50回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 多属性意思決定における情報処理過程の検討--シミュレーション、情報モニタリング法、眼球運動の比較から2022

    • 著者名/発表者名
      玉利祐樹・井出野尚・竹村和久
    • 学会等名
      日本行動計量学会第50回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 深層学習による意思決定方略の同定2022

    • 著者名/発表者名
      玉利祐樹・井出野尚・川杉桂太・村上始・森井真広・竹村和久・岡田光弘
    • 学会等名
      消費者行動研究学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 多属性意思決定過程における行動データと意思決定態度の関連2022

    • 著者名/発表者名
      森井真広・井出野尚・玉利祐樹・竹村和久・岡田光弘
    • 学会等名
      消費者行動研究学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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