研究課題/領域番号 |
22K13512
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
セルメス鈴木 寛之 (鈴木寛之) 京都大学, 経済学研究科, 講師 (30916888)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 管理会計 / 大衆文化 / 伝統文化 / 現代文化 / 定性的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は西洋文化圏で近年研究が進む管理会計と大衆文化の相互関係に注目し、先行文献に欠如している東洋文化圏の事例に基づく知見の蓄積とその相対化を目的とする。特に、①わが国において大衆文化関連事業に従事する組織の効率的経営に資する管理会計情報およびシステム、および②管理会計情報およびシステムがその組織や事業を通じて大衆文化の形成・維持・発展に与える影響の2方面からの検討を行う。文献資料や聞取調査を通じて得られる定性的データを分析し、伝統的な大衆文化の維持発展と現代的な大衆文化の形成発展のそれぞれに寄与する管理会計実務の在り方を検討する。
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研究実績の概要 |
本年度は管理会計と大衆文化の相互関係のうち、伝統的な文化に焦点を絞って研究を行った。具体的には、伝統的な大衆消費文化の一つと位置付けられる日本酒の消費を事例として、公刊の書物や論文を利用した文献調査の後、製品製造者である酒蔵への聞取調査を複数回実施した。 このうち、聞取調査の結果得られたデータの一部は藤山・セルメス鈴木(2022)「清酒酒蔵における原価計算・管理会計実務:新潟の酒蔵に関する複数事例研究」『国民経済雑誌』(第226巻第6号83-100頁)として論文発表した。当該論文では、小規模酒蔵の複数事例研究を通じて、小規模酒蔵における管理会計・原価計算の実務について、(1)原価計算における減価償却費の取り扱い、(2)原価計算における労務費の取り扱い、(3)原価情報の製品価格決定や製品製造継続・廃止の意思決定への利用の3つの観点から考察している。 他方、文献調査を通じては会計情報が酒蔵の経営に一定の影響を及ぼしていることを示す資料の存在が確認できた。この資料は研究者のみならず酒蔵の経営者や従業員、国税庁の職員なども著者として名を連ねており、一次資料としての利用価値があることが判明した。 加えて、現代的な大衆文化の事例としてプロサッカークラブを選定し、関連する文献の収集を開始した。 次年度は酒蔵への聞取調査を継続すると同時にプロサッカークラブに関する聞取調査も始動する計画である。また、日本酒の大衆消費文化に関する文献調査、聞取調査のそれぞれについて英文論文の執筆を開始する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は新型コロナウイルス感染症による諸規制の影響が依然としてあり、聞取調査の進捗に影響があったため。ただし、文献調査はこの影響を特に受けることなく実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症による諸規制を受けた聞取調査の実施時期のずれ込みを受け、予定していた英語論文化・国際学会での報告を半年ほど後ろ倒しする形で計画を修正する。その結果として、まず次年度の前半では酒蔵への聞取調査を中心に実施し、英語論文化への道筋を付けたい。後半ではプロサッカークラブに関する聞取調査を開始する一方で、酒蔵の事例を英語論文として執筆する作業に着手し、次々年度に国際学会で報告を行うことを目指したい。
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