研究課題/領域番号 |
22K13516
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
澤田 雄介 同志社大学, 商学部, 助教 (20905567)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 業績操作行動 / オンライン実験 / 会計不正 / 目標設定 / エージェンシー理論 / 内部通報 / マネジャー / 主観的業績評価 / 契約理論 / マネジメント・コントロール / 実験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の主題は、企業組織内のミドルマネジャーによる業績操作行動を防止するための制度ないし仕組みの在り方について探究することにある。近年、マネジャーの業績操作行動に着目した研究が展開されているが、その多くは業績操作行動の実態や経済的帰結を明らかにするものであり、どのようにして防止するのかという制度デザインの観点からの議論が成熟していないと考えられる。そこで本研究では、契約理論やオンライン実験手法に依拠し、望ましい制度の在り方について提言することを目指す。
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研究実績の概要 |
今年度は、主に2つの研究を行った。 第1に、ミドルマネジャーの業績操作行動を防止するための制度設計に関する研究である。近年、会計情報の作成過程で生じる不正会計やミドルマネジャーレベルで生じる業績操作が問題となっている。本研究は、目標設定への参加が業績操作行動(Misreporting)に与える影響をオンライン実験データを用いて検証した。その結果、目標設定への参加がある場合のほうがない場合と比べ、業績そのものは向上する一方で、業績操作もかえって多くなることが明らかになった。とくに、目標設定に参加したものの、目標に達成しなかった場合に、目標達成への責任感が高まることによって業績操作が増加することが示された。本研究は、現在、ワーキングペーパーとして纏めている。 第2に、企業不正防止のための内部通報制度についての研究である。エージェンシー理論を基礎とした相互監視モデル(エージェンシーが2名とプリンシパル1名によるモデル)のもとで、「プリンシパルに対する公平性の認識」や「エージェント間のパワー関係」が私的情報の報告行動や内部通報行動に与える影響を実験データを用いて分析した。その結果、エージェントのプリンシパルに対する公平性(Fairness)や忠誠心(Loyalty)の高さが正直な報告行動を促すことが明らかになった。本研究は、不正行動や内部通報行動の心理的メカニズムを分析している点で、先行研究に対して一定の貢献を果たしている。本研究の内容は、国際学会(European Accounting Association Annual Congress 2023)にて報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標設定とマネジャーの業績操作行動に関する論文をワーキングペーパーとして纏めており、現在、査読付きの海外雑誌に投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
必要に応じて追加的な実験を行う予定である。また、昨年度より着手している経営者報酬契約におけるクローバック条項に関する実態調査を進める。
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