研究課題/領域番号 |
22K13533
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
水出 幸輝 同志社大学, 社会学部, 助教 (90882390)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 災害情報 / 防災の日 / 集合的記憶 / 琉球新報 / 沖縄タイムス / 枕崎台風 / メディア史 / 中国新聞 / 台風 / ローカルメディア / 自然災害 |
研究開始時の研究の概要 |
戦後、1960年までの日本は台風水害によって甚大な被害を繰り返し受けていた。特に九州・沖縄地方は台風の進路にあたる場合が多い。本研究では、そうした台風常襲地帯の戦後史を歴史社会学、メディア史の視座から検討する。特に、(1)日本で甚大な台風水害が頻発した1945年-1960年における災害とメディアの関係、(2)災害常襲地帯における災害記憶の通史的な変化、(3)気象と社会の関係から浮かび上がる地方のメディア史、というテーマを設定し、研究を遂行していく。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、台風常襲地帯の戦後史を歴史社会学の視座から検討し、気象と社会とメディアの歴史を検討することにある。災害情報メディアが各時代でどのように評価されてきたのかを整理し、また、風水害の記憶がどのように継承されてきたのか(されてこなかったのか)、頻繁に発生した風水害が地域メディアのあり方をどのように規定してきたのか、といった問題の解明を目指す。 2023年度は、沖縄県のローカル紙である『琉球新報』と『沖縄タイムス』のについて、主に沖縄県立図書館で調査を実施した。紙面調査では「防災の日」における周年報道を調査することで、日本社会の災害認識と、沖縄ローカルの災害認識の比較検討を試みた。 沖縄は、1972年5月15日に米国との沖縄返還協定によって施政権が日本に返還される。戦後、一定期間は独自のメディア文化を有しており、そのために、日本本土とは独自の文脈で災害に関する報道を実施していた可能性がある。一方で、1964年には日本本土と沖縄を結ぶマイクロ回線が開通しており、また、占領下でも新聞には共同通信の配信記事が掲載される場合があった。日本の情報が沖縄社会に流通する条件が整っている。このようなメディアの条件のなかで、台風をはじめとする自然災害の記憶がどのように持ち出されたのか、といった問題を検討した。 また、2023年は関東大震災から100年の節目であったため、関東大震災の周年報道(「防災の日」の報道)にも注目した。台風常襲地帯における地域メディアでどのように周年報道が実施され、そこに、どのような地方紙の特性や災害認識が浮かび上がるのか。戦後のメディア編成との対応で整理を試みた。沖縄県で実施した調査に基づく成果については、今後、論文等で発表していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一定の資料調査を実施することはできているが、予期せぬ形で発生した他の業務にも時間を費やしたため、本研究については「やや遅れている」と認識している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに調査を実施した広島県、沖縄県について、補足調査を進めつつ、研究成果を論文等で発表していく。また、調査が実施できていない九州地方についても調査を進める。
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