研究課題/領域番号 |
22K13542
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 神戸大学 (2023) 東京大学 (2022) |
研究代表者 |
坂井 晃介 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (10880974)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 社会システム理論 / 福祉国家 / 社会国家 / 専門職 / ポリツァイ / 労働監督 / 圧縮された近代 / 保険監督 / 政治と学術 / 専門家 / 歴史社会学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、政治制度と他の諸制度の関係を踏まえた政策形成のメカニズムに関する理論枠組みを精緻化し、それに基づいて学術的知見の政治的参照という観点から福祉国家形成を比較歴史社会学的に考察する。そのために、N.Luhmannの社会学理論のうち、機能分化理論および構造的カップリング概念を再検討し、これらの経験的な応用可能性を明らかにする。そして、19世紀後半ドイツにおける社会政策の形成を、人びとが用いている知識の水準から歴史社会学的に明らかにするとともに、同時代のイギリスおよび日本の福祉国家形成との比較分析を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度は、政治制度と他の諸制度の関係を踏まえた政策形成のメカニズムに関する本研究の理論枠組みの有効性を検証するために、ドイツおよび東アジア諸国の福祉国家の特性についての研究を進めた。第一に、政治と学術の関係を考える上で重要な専門職の役割が社会政策や労働政策をめぐってどのように生起していったのかを歴史的に考察した。特に19世紀末から20世紀初頭における労働監督制度の形成は二つの制度を取り結ぶ専門職として重要な役割を有していたことを明らかにした。第二に、こうした議論が日本にはどの程度当てはまるのかを調査した。日本における労働監督専門職は比較的制度化が遅く、警察をはじめとした先行する行政組織によって代替されていた。これは専門職と社会問題の解決をめぐる人々の考え方と社会構造の転換に何らかの相関関係が存在したことを示唆する。第三に、政治と学術の関係を超えて、日本や韓国といった後発福祉国家の社会構造上の特性を分析し、それがいかに社会政策の多様性を生み出してきたのかを考察した。特に「圧縮された近代」というポストコロニアルな社会変動についての理論を考察し、その可能性と限界について分析を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、国際学会での研究報告3件、国内学会での研究報告3件をはじめ、研究成果の公開を口頭で行ってきた。その一方、年度途中で異動があったこともあり、こうした成果を論文化することはできなかった。こうした点でやや遅れているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
すでに国内外の学会で報告し専門家とのディスカッションを経ているので、これらを国内外のジャーナルに投稿する。論文や論文集のチャプターとして公開する予定である。また、こうした成果を著作としてまとめる準備をはじめる。
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