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女性の職業キャリア研究における系列分析手法の応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K13543
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関福岡県立大学

研究代表者

黒川 すみれ  福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (10883431)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード職業キャリア / 系列分析 / ライフコース / 女性の就業 / 計量分析
研究開始時の研究の概要

本研究は女性の職業経歴を系列分析によって記述するとともに、職業経歴が現在の意識や就業行動とどのように関連しているかを検討するものである。
これまでのキャリア研究では、膨大な職歴データを有効に使い切る手法がないという技術的限界により、女性の多様なキャリア形成の実態を十分に記述することが出来ないという課題があった。本研究では系列分析の手法を職歴データ分析に応用することで、①女性の多様なキャリアパターンを記述し、②記述されたキャリアパターンが雇用の流動化をもたらした制度的・構造的背景と矛盾しない結果となっていることを確認するとともに、③キャリアを説明変数とした実証研究を行う。

研究実績の概要

本年度は分析に新たなデータセットを加えたことにより、研究対象と分析手法を拡張して追加分析を実施した。
これまでは「職業キャリアと働き方に関するアンケート」(労働政策研究・研修機構)を使用してきたが、「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査」(東京大学社会科学研究所)を新たに追加することにより、多世代の女性の職業キャリアが分析可能となった。さらに、パネル調査を利用することによって配偶者の就業履歴も把握することができ、女性の就業履歴を配偶者の就業履歴と合わせて検討するカップルキャリアの分析が可能となった。(主に家計補助と家事労働による)家庭との調整役を担いやすいという女性(妻)の就業は、世帯主(男性)の就業状況に強く影響される。夫婦の就業履歴を分析することによって、女性就業の実態をより詳細に検討することができる。この分析には、系列分析の手法の一つであり、複数の履歴(チャネル)を同時に分析できるマルチチャネル分析を適用した。
夫婦の就業履歴の組み合わせをみると、いくつか特徴的なカップルが明らかとなった。夫婦ともに専門職ホワイトカラー正社員の組み合わせは世帯年収がもっとも高く、若年期から共稼ぎ高収入カップルだったケースが想定される。結婚満足度と生活満足度も高く、比較的若いコーホートに多い組み合わせである。また、専門職ホワイトカラー正社員の夫と無業の妻の組み合わせ(専業主婦カップル)も結婚満足度・生活満足度が高い。夫の年収は高水準で上昇幅も比較的大きく、妻は一時的に就労するケースがあるものの、基本的には専業主婦で子どもがいる家族のかたちをとっている。特に夫の結婚満足度が高いのが特徴である。この分析は女性の職業キャリア研究としての成果であるほかに、系列分析のマルチチャネル法の有効性の検証を試みた成果でもある。この分析結果は第75回数理社会学会大会で報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新たなデータセットを含めた追加分析を行ったことにより、夫婦の就業経歴の基礎分析を実施できた。本研究課題の1年目に実施した系列分析の方法論的・理論的議論の整理の成果をふまえたものであり、当初の研究計画通りに進んでいる。また、系列分析を手法として用いている国内の研究者と研究会を立ち上げ、代表者として研究会の運営にあたっている。手法の議論や研究成果の報告の場を積極的に確保し、研究のペースメイクに有効活用できている。

今後の研究の推進方策

2024年度はさらに新しいデータセットを追加し、女性の職業キャリアの世代間比較を試みる。また、女性の職業経歴と家族経歴の2つの視点からのキャリア類型に取り組むことで、ライフコース的視点からの議論をまとめる予定である。
代表者を務める系列分析の研究会による成果報告会を企画しており、女性の職業キャリアに関する研究成果のほか、系列分析の方法論的議論を通して、履歴データに系列分析を適用することの有効性も、研究成果として広く公表する予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 夫婦の就業経歴がウェルビーイングに及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      黒川すみれ
    • 学会等名
      第75回数理社会学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 現代日本の紛争過程と司法政策 ―民事紛争全国調査 2016-2020―2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤岩夫・阿部昌樹・太田勝造(編)
    • 総ページ数
      731
    • 出版者
      東京大学出版会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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