研究課題/領域番号 |
22K13553
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
王 昊凡 中部大学, 人文学部, 助教 (20806955)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 飲食店 / 新型コロナウイルス / コロナ禍 / 社会学 / 飲食業 / レジリエンス / 名古屋 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では飲食産業論に立脚しつつ災害社会学からレジリエンス論を援用し、「コロナ禍」において飲食店が閉店の危機を回避し、持続的な発展が可能となるための要因を探る。飲食産業論をふまえ、出資者・仕入れ・料理人・消費者という4側面でのソーシャル・キャピタルと、料理人の技能に基づくフレキシビリティに着目する。その内実および前提条件(政策による規制や支援、立地や客席数など)、第三変数を含めた相互関係について議論を行う。名古屋市に所在する飲食店へのヒアリング調査をもとに、レジリエンス形成のモデル化を志す。
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研究実績の概要 |
本研究は、「コロナ禍」に直面した飲食店がいかに事業継続を行うかを検討することで、そのレジリエンス形成について論じるものである。本年度は前2年度と比べると「コロナ禍」の回復期といえる状況にあり、飲食店が直面する問題が変容しつつある。そうした状況のなかで本年度は研究実施計画に沿ってヒアリング調査を行い、現時点で主に3つの知見を得ることができた。1つ目は、「コロナ禍」に直面した店舗はさまざまな施策を行ったが、そうした施策の成否は単純に説明できないことである。2つ目は、より早く「コロナ禍」に対応し、多様な施策を形成するには、地元の同業組合や商工会議所などの地域レベルの業界団体、税理士などの専門職、インフォーマルなつながりが有効になった可能性が示唆されることである。3つ目は「コロナ禍」から円滑に店舗の機能を回復するには、職場内社会関係を「コロナ禍」に維持しつづけることが有効だったことがわかった。この点についていえば、全体として技能をもった労働者不足が話題となっており、(1)修業期間中の料理人の技能習得が滞っていること(他業種への転職をしてしまった例もある)、(2)技能をもったフロアスタッフが離れてしまい確保が難しいこと、といった点と関連している。とくに2つ目と3つ目については調査がまだ未完段階であり、1つ目については論文にて成果を公開した(「「コロナ禍」に直面した飲食店の事業継続 : 現場主義の柔軟性がもつ可能性と限界」)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒアリング調査それ自体の進捗は予定通りである。しかし、次年度は「コロナ禍」の回復期として本格化したため、研究の枠組みを修正する必要がある。具体的には、単に「コロナ禍」に直面した飲食店のレジリエンス形成について論じるだけでなく、それが「回復期」において店舗の機能回復につながるかどうか、検討する。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きさまざまな飲食店でのヒアリング調査を行う。また、得られた知見の2つ目に着目し、ヒアリング調査の大将を同業組合や関連業種まで広げるとともに、「コロナ禍」時期の店舗にとってのサポート体制を議論に組み込む。知見の3つ目をふまえ、料理人の修業の遅延、技能をもったフロアスタッフ獲得・職業訓練といった論点からも、ヒアリング調査を行う。
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