研究課題/領域番号 |
22K13555
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 大阪芸術大学短期大学部 |
研究代表者 |
松尾 理也 大阪芸術大学短期大学部, その他部局, 教授 (80804799)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 関西ジャーナリズム / 新聞史 / 大衆社会 / メディア政治 / 占領期 / 新興紙 / メディア史 / 占領史 / 新興新聞 / ジャーナリズム / 関西 / 大衆文化 |
研究開始時の研究の概要 |
新しいメディアがめまぐるしく現われては消えていった占領期大阪に着目し、新興紙の叢生という現象を中心に、新聞の変遷・盛衰のメディア史的意味を明らかにする。「反権力」「反権威」を標榜し「庶民」を旗印に掲げる戦後関西のジャーナリズムの自己規定がどのように構築されていったのかを原点にさかのぼって検討する。これまでの占領期メディア研究で不十分さが指摘されてきた「地方」および「新聞」にかかわる研究の空白を埋めることをめざす。
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研究成果の概要 |
占領期を通して関西の新興紙をめぐる事象の推移を検討するなかで、産経新聞の創業者である前田久吉の事跡に着目、単著『前田久吉、産経新聞と東京タワーをつくった大阪人』(創元社、2023年)を刊行した。また、大阪発祥の全国紙たる朝日新聞出身の政治家として橋本登美三郎に焦点をあて、政治とメディア、とりわけ昭和戦前期の大衆新聞における経験が戦後政治家としての橋本にどのような影響を及ぼしたかを単著『橋本登美三郎の協同』(創元社、2024年)で分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前田という人物を単に産経新聞の創業者という角度からのみとらえるのではなく、東京タワーの創設者として論じる中で、都市論における「テクスト論/メディア論」の二分法と新聞論における「ジャーナリズム論/メディア論」の二分法を重ね合わせる視点を提示し、その上で前田を「メディア論」的人間として位置づけた。また橋本登美三郎を論じる中で、昭和戦前期の大衆新聞が速報を可能にするテクノロジーや広範囲の読者を獲得できる規模の経済を手にした結果、たとえばポール・ヴィリリオのいう「速度」にとりつかれたことが20世紀メディア社会を特徴付け、同時に橋本の「転向」をも促した、と論じた。
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