研究課題/領域番号 |
22K13564
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
張 梦瑶 東洋大学, 福祉社会デザイン学部, 助教 (50906659)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 介護離職 / 家族介護者支援 / 介護離職者支援 / 介護離職防止 / EUにおける仕事と介護の両立支援 |
研究開始時の研究の概要 |
介護離職を防ぐために、介護休暇・介護休業制度や介護保険サービス等の社会的支援の充実を図ることが有効な手段であると考えられる。しかし、実際これらの制度やサービスを利用せずに離職した介護者は少なくない。既存の支援策と、個々の介護者が求める支援との間に、乖離が生じているからではないかと推測される。 本研究は、介護離職者または介護離職経験者を対象にインタビュー調査を行い、社会的支援を利用せずに、介護を担うために離職を決断してしまうのはなぜか、その要因を明らかにするうえで、今後における介護離職防止のための支援システムの構築について検討する。
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研究実績の概要 |
本年度は、介護のために離職・転職した家族介護者を取り巻く問題の現状と、そのような家族介護者への支援のあり方について、離職した家族介護者5名に対し、インタビュー調査を実施した。インタビュー調査の結果の一部を整理し、日本社会福祉学会第 71 回秋季大会にて口頭発表を行った。 また、事例の一部分を取り上げ、分析の結果をまとめて、『福祉社会デザイン学部紀要』の論文「介護離職したケアマネジャの一事例研究」に掲載された。論文では、家族介護者を対象に、インタビュー調査を実施し、介護離職に至る経緯を通して、ケアマネジャーと家族介護者の2つの視点から介護離職の背景を分析するうえで、介護離職がもたらす影響と、介護離職を未然に防ぐための支援のあり方を明らかにした。介護離職の背景の分析を行い、その結果、〈在宅介護の現状と家族の要望〉、〈十分なサポートが得られない状況〉、〈専門職として在宅介護への執着〉の3つのカテゴリは、介護離職と直接につながっていることが分かった。調査対象者は専門職でありながら、一家族介護者として在宅介護を経験しており、介護の負担を人並みに感じていることが明らかになった。その一方で、介護の悩みを打ち明けられる相手が少なく、周囲から十分なサポートを受けられず、悩んだ末に介護離職を選択したことが明らかにされた。さらに、調査を通じて、介護離職者にとっては、離職後仕事と介護が両立できないという葛藤から逃れられたものの、社会から孤立してしまうなど、新たな問題に直面しなければならないことがわかった。離職者は、〈将来への不安〉や〈離職に関する葛藤〉を抱えて在宅介護を継続していることが判明された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2024年4月まで、調査にご協力いただける介護離職者の方5名と日程調整を行った上で、インタビュー調査を実施した。一方、現時点では十分な協力者の人数が集まっているとはいえず、またデータの分析に取り掛かれていないことから、本研究課題の進捗状況は当初の計画よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年4月下旬から、申請者が産前産後の休暇を取得する予定であるため、一旦インタビュー調査を中断する。復帰後、現在実施している介護離職者へのインタビュー調査を継続し、年度後半までに分析を実施し、論文としてまとめる予定である。
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