研究課題/領域番号 |
22K13572
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
|
研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
小野 健一 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (40612982)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 共作業 / 家族介護者 / 作業療法 / スコーピングレビュー / 構成要素 / 支援アプリ / 要介護者 / 家族 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、在宅生活を行う要介護者と同居する家族が行う種々の作業(以下、共作業)に着目し、改善したい共作業における双方の遂行能力の得点化と、改善目標を立案する共作業支援アプリの開発を目的とする。 本アプリを開発ため、遂行能力の指標となる項目を明らかにするための調査、アプリ開発、実際場面での使用感と要介護者と家族の満足感を検討するための介入調査を行う。 本アプリでは、改善したい共作業の得点化と、双方が納得できる改善目標の立案を「見える化」でき、より効果的な日常生活の支援の計画と実践に繋げることができる。
|
研究実績の概要 |
本研究で最も着眼している共作業について,国外論文12本,国内論文1本から「共作業を行う上で生じる身体性・情緒性・志向性の3領域に含まれる構成要素に関するスコーピングレビュー」を行い,各領域の構成要素を明らかにした. 共作業とは,複数の人が関わり,互いが主体として相互作用を及ぼしながら行う作業を指す.本レビューを行った結果,採用された13件の論文のうち,国内論文が1本であったことからも,我が国における共作業の認知度や理解が未だ不十分であることが明らかとなった.また,研究デザインとして,質的研究が最も多く,今後はこれらの知見を基盤とする量的研究を行う必要性が示唆された. レビューから,共作業を構成する3領域において身体性の構成要素として13項目,情緒性の構成要素として25項目,志向性の構成要素として33項目が抽出できた.身体性の構成要素はAssessment of Motor and Process SkillsやThe Evaluation of Social Interactionで評価される作業遂行の技能が多く含まれていた.一方で,情緒性・志向性は身体性に比べ多くの構成要素が抽出されており,共作業の持つ複雑性を表していると考えられた.情緒性・志向性の複雑さが示す点として,これらの要素は臨床場面において,作業療法士の経験に強く依存していた部分と考えられたため,これらの領域が可視化されたことで,作業療法士が対象者の内面を理解する際の一助となることが期待できた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の研究実績であるスコーピングレビューの作成に予定以上の時間を要してしまった.そのため,当該年度実施予定であった訪問リハビリテーションの事業所に宛てる質問紙調査を開始することができなかった. 加えて,レビュー内容をもとにした作業療法介入方法を検討するにあたり,コロナ禍であることから,研究協力施設からの内諾が得られないことがあり,研究を進めることができなかった.
|
今後の研究の推進方策 |
文献レビューの結果をもとに、共作業に求められる要素に関する質問紙を作成し、全国の訪問リハビリテーションを実施している事業所に所属する経験年数5年以上の作業療法士対象者に配布し調査を行う。その後、回答結果をWaltsらの内容的妥当性比を用い、妥当な項目を選別する。 要素の項目が確定したのち,本研究の目的であるアプリの開発に着手する. 同時に,作業療法初期評価において共作業の要素に焦点を当てたシングルケーススタディを行い,作業療法実践における共作業の有用性を確認する.
|