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再犯の有無を評価基軸に置かない刑事司法ソーシャルワークの地域展開に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K13579
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分08020:社会福祉学関連
研究機関立教大学 (2023)
東京都立大学 (2022)

研究代表者

掛川 直之  立教大学, コミュニティ福祉学部, 准教授 (30825302)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード再犯防止 / 刑事司法ソーシャルワーク / 評価方法 / 社会的排除 / 地域共生社会
研究開始時の研究の概要

社会的排除や社会的孤立の状態に置かれきた出所者の多くは、時に再犯を起こしながらも地域に定着してきた。そうであるとすれば、再犯があったことをもって支援の失敗と判断してしまうと、せっかくの開始した支援を中断してしまうことになってしまいかねない。しかし、再犯者率に関する数値目標が掲げられ、出所者に再犯させないことがあたかも支援の成功であるかのように捉えられる風潮がある。本研究では、①出所者の再犯の有無を評価基軸におかない刑事司法ソーシャルワーク実践のあり方について、先行研究を整理するとともに、実践的な調査をおこなうなかで、②出所者も排除しない地域共生社会のあり方について検討していく。

研究実績の概要

これまで社会的排除や社会的孤立の状態に置かれてきた出所者の多くは、突然、目の前に現れたソーシャルワーカーをすぐに信頼することはできず、時に再犯を起こしながらも地域に定着してきた、といわれている。そうであるとすれば、再犯があったことをもって支援の失敗と判断してしまうと、せっかくの開始した支援を中断してしまうことになってしまいかねない。しかし、再犯者率に関する数値目標が掲げられ、出所者に再犯させないことがあたかも支援の成功であるかのように捉えられる風潮がある。
そのため、本研究では、①出所者の再犯の有無を評価基軸におかない刑事司法ソーシャルワーク実践のあり方について、既存の犯罪からの離脱研究とソーシャルワーク研究との知見を整理していくなかで理論化するとともに、②出所者も排除しない地域共生社会のあり方について提示していくことを目的とするものである。
本年度の研究成果としては、論文等7本、学会報告等2本、講演等5本などを業績としてのこしている。調査研究としては、A都道府県地域生活定着支援センターとの協働により刑務所等出所者を受け入れた福祉事業所の支援者についての当事者研究を開始することができたほか、刑務所出所当事者やソーシャルワーカーからの聴き取り調査をおこなってきた。
また、継続しておこなっている名古屋市における連続学習会「ムショとしゃばとこころ しゃばサヴァTV2023」の企画・運営にくわえ、「更生保護法人日本更生保護協会 2022年度休眠預金活用事業」専門家委員、「令和5年度 東京都再犯防止サポーターズ交流会」コーディネーター、「一般社団法人東京TSネット支援検討委員会」検討委員など、研究課題にかんするデータの収集や、その成果の還元にも努めてきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度に実施したA都道府県地域生活定着支援センターの依頼により刑務所等出所者を受け入れた福祉事業所に対してのアンケート調査の分析をおこない学会報告することはできたが、論文にまとめるところまでは至らなかった。
また、本年度は、出所者が地域の一員として生きていくために必要な要素の可視化に向けた調査研究をおこなうことを目標に掲げていた。当初は、調査対象となる出所者については、過去10年間においてA都道府県地域生活定着支援センターが支援を担当した出所者のうち、調査に協力できると思われる者5名程度を選出し聴き取り調査を実施する予定であったが、同センターと協議のうえ、単に聴き取り調査をするのではなく、よりインタヴューイーにも還元のあると考えられる当事者研究のかたちをとることに変更した。
その導入として、A都道府県地域生活定着支援センターとの協働により刑務所等出所者を受け入れた福祉事業所の支援者についての当事者研究を開始することができたが、出所当事者の当事者研究にまで至ることはできなかった。

今後の研究の推進方策

本年度おこなうことができなかったアンケート調査結果の論文化をおこなうとともに、2024年度は、A都道府県地域生活定着支援センターとの協働により刑務所等出所者を受け入れた福祉事業所の支援者についての当事者研究を進めるとともに、出所当事者の当事者研究をおこなうことを目標に掲げたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 「名古屋市における過去に犯罪をした者への支援の実態と課題:再犯防止推進計画策定にかかる事例調査の結果から」2024

    • 著者名/発表者名
      湯原悦子, 掛川直之, 斉藤雅茂, 山田壮志郎
    • 雑誌名

      社会福祉学

      巻: 64(4) ページ: 56-69

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「受刑経験者を支える市民運動(特集 罪を犯した人の立ち直りを支える市民運動)」2023

    • 著者名/発表者名
      掛川直之
    • 雑誌名

      ウォロ

      巻: 522 ページ: 2-4

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「社会的に排除されない地域をどのようにつくるか:出所者支援における民生委員・民児協の役割(連載vol.3「地域における福祉課題に対する民児協の取り組み:罪を犯した人が抱える「生きづらさ」の背景に寄り添うために」)」2023

    • 著者名/発表者名
      掛川直之
    • 雑誌名

      View

      巻: 230 ページ: 8-9

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「出所者の孤立と住居(特集論文 差別・孤立・貧困に立ち向かう社会開発)」2023

    • 著者名/発表者名
      掛川直之
    • 雑誌名

      居住福祉研究

      巻: 34 ページ: 62-71

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「地域における出所者支援の現在地:矯正/共生を強制することはできるのか?」2023

    • 著者名/発表者名
      掛川直之
    • 雑誌名

      社会福祉研究

      巻: 146 ページ: 2-9

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「書評 竹原幸太著 立ち直り・甦りの教育福祉学:少年司法の軌跡と甦育」2023

    • 著者名/発表者名
      掛川直之
    • 雑誌名

      社会福祉学

      巻: 147 ページ: 205-210

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「社会福祉学としての司法福祉学/刑事司法ソーシャルワーク論の構築を目指して2023

    • 著者名/発表者名
      掛川直之
    • 雑誌名

      まなびあい

      巻: 16 ページ: 158-161

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「地方再犯防止推進計画策定の偏在性」2023

    • 著者名/発表者名
      荻野太司・掛川直之
    • 雑誌名

      龍谷大学矯正・保護総合研究年報

      巻: 12 ページ: 94-109

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「すべての人と共に生きる社会をどうつくるのか:出所者支援における社会福祉法人の役割(特集 生きづらさを抱える人に寄り添う社会福祉法人:罪に問われた人の支援に焦点を当てて)」2022

    • 著者名/発表者名
      掛川直之
    • 雑誌名

      経営協

      巻: 466 ページ: 17-20

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 「入口支援における弁護士会と社会福祉士会との連携に関する調査研究:「刑事裁判の弁護活動への社会福祉士の関与に関する調査」から」2023

    • 著者名/発表者名
      金子毅司, 掛川直之
    • 学会等名
      日本社会福祉学会第71回秋季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「福祉事業所が出所者を受け入れる所以/受け入れを中断する理由:A圏域における地域生活定着支援センターと福祉事業所との連携に関する実態調査結果から」2023

    • 著者名/発表者名
      掛川直之
    • 学会等名
      日本社会福祉学会第71回秋季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 市町村再犯防止推進計画策定の偏在性に関する一考察2022

    • 著者名/発表者名
      荻野太司・掛川直之
    • 学会等名
      日本司法福祉学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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