研究課題/領域番号 |
22K13589
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 梅花女子大学 |
研究代表者 |
綾部 貴子 梅花女子大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90331727)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ケアマネジメント / 低所得要援護高齢者 / 8050問題 / 単身の低所得高齢者 / 都市部 |
研究開始時の研究の概要 |
生活保護受給の高齢者世帯は、他の世帯のなかで最も多く、増加している。また、都市部を中心に多い。単身世帯だけでなく、単身以外の世帯(8050問題等家族への支援も必要な複合的な課題のある世帯)もあり世帯単位で考慮した支援が課題となっている。課題への対応の1つとしてストレングス視点を活用したケアマネジメント実践がある。 本研究では、都市部における在宅の要援護状態にある低所得高齢者世帯へのストレングス視点を活用したケアマネジメント実践とその実践に関連する要因を世帯別で明らかにする。 本研究により、低所得要援護高齢者世帯へのケアマネジメント実践の介入や研修の開発、その効果測定につながることが期待できる。
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研究実績の概要 |
2022年度では、国内外の文献レビューを行い、本研究における「低所得要援護高齢者世帯」および「都市部における在宅の低所得要援護高齢者世帯へのケアマネジメント実践」(以下、ケアマネジメント実践)の概念整理を行った。さらに、先行研究を通して従属変数であるケアマネジメント実践に関する項目と影響を与える要因となる独立変数項目案を検討した。また、文献レビューを通して、低所得要援護高齢者世帯の課題に関して「認知症」「虐待」「孤立」「ひきこもり(同居家族の子ども)」「障がい(同居家族の子ども)」「共依存」「生活困窮」「家族間の力動関係」といったキーワードも見出した。文献レビュー結果および先行研究である既存の調査データの分析結果も活用し、本研究の質問項目案を学会にて発表した。学会参加者より次の助言をもらうことができた。従属変数項目は、単身世帯以外の世帯関して以下の助言をもらうことができた。①高齢者本人と同居の子の相互作用に着目したシステムズアプローチを反映した質問項目内容を検討すること・高齢者本人および同居の子両者のストレングスやエンパワメントの視点を反映した質問項目内容を検討すること、②高齢者本人および同居の子両者のリカバリー視点を反映した質問項目の内容を検討すること。独立変数に関しては、以下の通りである。①従属変数項目の実践を支えるスーパービジョン体制(管理的スーパービジョン・支持的スーパービジョン・教育的スーパービジョン)およびコンサルテーションに関する質問項目の内容を検討すること上記の助言を参考に、2023年度では、質問項目「システムズアプローチ」「ストレングス」「リカバリー」「スーパービジョン」「コンサルテーション」のキーワードも含めたさらなる文献レビューを行い、質問項目内容に反映可能かどか検討を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、文献レビューを中心に概念整理(「低所得要援護高齢者世帯」および「都市部における在宅の低所得要援護高齢者世帯へのケアマネジメント実践」(以下、ケアマネジメント実践))を行った。さらに、先行研究を通して従属変数(ケアマネジメント実践)および影響を与える独立変数項目案を検討した。低所得要援護高齢者世帯には単独世帯および家族支援も含めた単独以外の世帯も存在することから各世帯でどのような課題があるのかを整理した。文献レビューの結果および先行研究である既存の調査データの分析の結果も活用し、本研究の質問項目案を学会発表した。文献レビューを行った結果を①で報告した。さらに、文献レビューとともに先行研究である調査の既存データも活用し分析を行い、②~⑧の学会にて発表を行った。各学会では、参加者より今後の本調査の項目内容への反映の可能性の高い助言を得た。また、⑨の論文報告も行い、結果を整理することで今後のアンケート調査の項目検討資料となっている。インタビュー調査に関して、コロナ禍の影響によりインタビュー調査の実行が延期となったため、まず先に調査目的および2023年度からすぐに取り組めるように準備(インタビュー質問項目の検討および依頼文、研究協力同意書の作成、倫理審査委員会による承認)を整えた。 【学会発表および論文発表】 「Relationship-Building to Social Resources and Care Management Practice for Old Public Assistance Recipients 」、The Gerontological Society of America 2022 Annual Scientific Meeting 「8050問題世帯の支援の際の介護支援専門員のよる社会資源との連携の現状分析」、介護福祉研究、2023年3月
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、居宅介護支援事業所の介護支援専門員および地域包括支援センター職員への調査実施に向けて事前打ち合わせや実施日時の調整を行い、インタビュー調査を実施していく。また、インタビュー調査結果の分析を行い、アンケート調査項目内容にも反映していくように検討する。 アンケート調査に関しては、2022年度検討した質問項目案の精度を高めるため、昨年度の学会発表にて助言を得た内容についてさらに文献レビューを行う。Aging & Social change、The Gerontological Society of America Annual Scientific Meeting2023、International Association of Gerontology and Geriatrics2023、Asia Pacific Regional Conference、日本ケアマネジメント学会にて本質問項目案(独立変数および従属変数項目および自由記述項目)への反映につながる内容の報告を行い、参加者より助言をもらう。そして、追加項目や項目内容(質問文の表現等)に検討を行う。 項目選定後、エキスパートレビューを行い、質問項目を確定する。所属大学の研究倫理審査委員会にて承認後、調査を実施していく。
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