研究課題/領域番号 |
22K13594
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
カバリェロ 優子 宇都宮大学, 共同教育学部, 助教 (30897575)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 秤量記録法 / 食物摂取頻度調査票(FFQ) / 加速度計 / 食事調査 / 栄養素等摂取量 / パラグアイ共和国 / キャッサバ芋 / 料理の組み合わせ / 炭水化物料理の重ね食べ / 都市部と農村部 / 肥満 / 食事 / エネルギー消費量 / 農村部と都市部 |
研究開始時の研究の概要 |
パラグアイ共和国は都市部のみならず農村部でも住民の半数以上が過体重であり、生活習慣病罹患者の増加が深刻である。農村部では自給農業者の占める割合が多く都市部では購入食品が多いことから食事内容が異なっている。しかし、同国では肥満や生活習慣病の要因のである食事とエネルギー消費量に関する調査はほとんど行われていない。 本研究の目的は、パラグアイ共和国の農村部と都市部の食事と摂取・消費エネルギー量の収支の課題を明らかにすることである。そのために、農村部と都市部の住民約50名を対象に食事調査と活動量計による測定を行い、食生活と摂取・消費エネルギー量バランスの地域学的特性を詳細に調べる。
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研究実績の概要 |
2023年9月~11月の3ヵ月、パラグアイ共和国首都アスンシオンと、首都から東に約90km離れた農村部を含む地方都市イタクルビ・デ・ラ・コルディジェラ(Itacurubi de la Cordillera)において食事と身体活動量の調査を行った。調査協力者は、都市部と農村部あわせて99名であった。食事調査では、3日間の自記式秤量記録の記載と食物摂取頻度調査票(FFQ)への回答を求めた。秤量記録の3日間に3軸加速度計の装着を依頼し、消費エネルギーも測定してもらった。 前回までに使用したFFQは、量に関する質問を入れていなかったので、今回は質問項目を精査するとともに量について回答する欄を設けたことで、栄養素等摂取量を推定できるような質問票に改良して使用した。 調査終了後は、食事秤量記録の記載内容から栄養素等摂取量の算出を行った。栄養計算には、パラグアイ共和国、近隣諸国および日本の食品成分表を用いた。 調査協力者のBody Mass Index (BMI)は、男性で28.8 (SD = 4.1)、女性で30.3 (SD = 5.3)であり、いずれの平均値も標準体型とされている18.5以上25未満を大きく上回っていた。申請者の先行研究を裏付けるために、炭水化物を多く含む料理の重ね食べに着目した。炭水化物を多く含む料理数別の1食および1日の栄養素等摂取量平均の比較から、1食中に炭水化物料理数が増えるほどに栄養素等摂取量も増えることが示され、特に、エネルギー摂取量、炭水化物、食物繊維摂取量は男女ともに1日の摂取量としても有意に多くなることが示された。炭水化物の重ね食べは肥満の要因になると言われているが、そのことが先行論文として確認できていない現状があることから、本研究の成果は、パラグアイ共和国のみならず他の国においても今後の肥満対策の基礎資料として貢献することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナの影響や治安の悪化により、現地調査は困難を極めた。しかし現地の研究協力者(研究補助)の信頼関係構築力と責任遂行能力の高さのおかげで当初予定していたとおりに調査を実施することができた。 調査協力者の選定おいて職業、年齢、社会経済的背景のバイアスがかからないような配慮を行いたかったが、安全上の理由から今回は難しいと断念し、研究協力者の知人やその友人、家族、親戚等が調査協力者となった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的である、パラグアイ共和国における都市部と農村部との食事内容と身体活動量について、収集したデータをもとに詳細に比較分析していきたい。 今回改良したFFQを秤量記録の栄養素等摂取量と比較し、その妥当性についても検討する。妥当性が確認できたら、今後パラグアイ共和国における栄養アセスメントのツールとして利用していきたいと考えている。 研究の成果を発表して、パラグアイで課題となっている肥満や生活習慣病の予防のための基礎資料としたい。
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