研究課題/領域番号 |
22K13602
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 京都ノートルダム女子大学 |
研究代表者 |
大風 薫 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 准教授 (70783348)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 金融ケイパビリティ / 金融リテラシー / 未婚女性 / シングル / ファイナンシャルウェルビーイング / ファイナンシャルプランナー / ライフコース / 未婚 / 貧困 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、金融ケイパビリティの構造モデルに依拠し理論的に未婚者の貧困予防にアプローチするものである。金融ケイパビリティとは社会経済環境との相互作用を踏まえて適切な金融行動をとれる能力である。自らの生殖家族を持たない未婚者は金融ケイパビリティを高めにくい構造にある。そこで本研究は、若年期・中年期・高年期の未婚女性を対象として金融ケイパビリティの特徴・類型を把握し、金融ケイパビリティを規定する要因を「パーソナリティ」「経験と環境」「知識と理解」「スキル」「自信と態度」の5つの側面から明らかにし、未婚女性の金融ケイパビリティの獲得における年代別の課題を抽出して貧困予防のための方策を検討する。
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研究実績の概要 |
申請当時に1年目で行う予定であった計画を変更し、研究計画の2年目で予定していたインタビュー調査の準備として、専門家の助言を得ながらすでに資産形成を開始している単身女性(比較として既婚女性、既婚男性)に対してインタビュー調査を行った。これは専門家による支援が資産形成行動とどのようなかかわりを持つのかを検討するためである。現在、インタビュー内容の逐語録を作成中であるが、インタビュー時に得た印象は以下の通りである。①資産形成行動を行っている人が必ずしも金融リテラシーが高いわけではなく、金融庁や先行研究で用いられる「金融リテラシー」の内容について詳しい知識を有していないこと、②ただし、専門家の伴走により定期的に家計や資産を見直すことを通じて、自分自身の経済状況を把握していることが経済的な安心感につながっている。また、同時に、顧客を持っているファイナンシャルプランナーに、独身者ならではの金融リテラシーや金融行動の特徴についてもインタビューをしたところ、既婚者は、たとえば配偶者との会話などを通じて日常生活の中で経済情報に触れているため、自然に金融に対する知識が蓄積され、また、関心を高められる状況にある。一方、独身者の場合は身近に金融や経済に関する話ができる相手がいない場合は、金融リテラシーを高めにくいこと、コロナの中で生活困窮支援制度を活用する人びとの中に独身者が多く、そのような独身者の中に、家計のコントロール方法がわからず、不安を抱えている人が多いという情報を得ることができた。 その他の実績として、ファイナンシャルウェルビーイングに関する研究報告を申請し、ARAHE(Asian Regional Association for Home Economics)2023に採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請当時とは計画の内容を入れ替えたものの、専門家や適切な対象者に対してインタビューを実施することができ、金融リテラシーや金融ケイパビリティについて基礎的な知見を得ることができたため。また、既存データを使用した研究報告を海外の学会に申請して査読を受けたところ採択されたことから、海外の研究者とも本研究に関連する議論を行う機会を作ることが可能になったため。
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今後の研究の推進方策 |
申請当初に1年目に予定していた既存データの分析を進め、未婚者の経済的な状況やそこでの課題について知見をまとめる予定である(8月のARAHE)。また、1年目で得たインタビューデータに加えて、さらに対象を拡大してインタビュー調査を行い、分析結果を論文として発表する予定である。
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