研究課題/領域番号 |
22K13614
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小川 愛実 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (80844927)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 歩行 / 片麻痺患者 / 居住空間 / 家具評価 / 福祉住環境 / 伝い歩き / 力学モデル / 空間評価 |
研究開始時の研究の概要 |
個人の身体機能に適した居住環境整備は、加齢や疾患などにより身体に障害を持つ人の生活動作の自立を促し、介護負担の軽減に貢献する。本研究では、居住環境が持つ人への動作支援性能の定量評価手法を提案し、居住環境整備プロセスを体系化することで個人の身体機能に適切な居住環境整備の実現を目指す。歩行動作を対象とし、家具や建具のもつ「寄り掛かれる」「把握できる」などの記号的な属性情報を数値的に扱うための人・居住環境間の力学的インタラクションモデルの提案と、空間の歩行支援性能評価を目的とする。この研究を居住環境整備に活用することで、必要十分な歩行支援による生活の自立に寄与し、健康寿命延伸に貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究では、人と居住環境との間に生じる力の授受をモデル化することで空間による人の歩行支援性能の定量化を試み、既存の空間の歩行支援性能を評価することを目的としている。家具や建具などの環境要素と人との接触方法を分類し、各接触方法における両者の力学的インタラクションをバイオメカニクスに基づいてモデリングする。入力パラメタは環境側の接触部位の形状とその高さ、および人の身長から算出される接触可能高さ、手指関節の可動域と身体機能レベルである。当該年度は、脳卒中片麻痺患者を対象とし、机や台などの把握を行わない家具の代替品として平行支持台を使用して伝い歩き動作計測を実施した。多様な身体機能レベルの被験者を対象とした実測実験とモデルの拡張はフェーズ2で実施予定であったが、事前に実施した予備実験より、伝い歩き動作の実測を健常者が無意識的に行うことは難しくモデル化が困難であったため、患者を対象としたデータに基づくモデル化を試みることとし、フェーズ2を前倒すこととした。計測機器の選定および調達を含む計測方法の検討を経て、回復期リハビリテーション病院の協力のもと被験者実験を遂行した。新型コロナウイルス感染症の影響による病院への立ち入り制限やスタッフの不足により、機器の設置や計測時間の確保が阻まれたため、現在取得したデータは4名分にとどまっている。一方、計測準備は整っており、今後は計画期間内の必要被験者数の獲得を見込んでいる。また同時並行で測定データの分析と力学モデルの構築を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在フェーズ2を前倒して、回復期リハビリテーション病院での脳卒中片麻痺患者を対象とした伝い歩き動作計測を実施中であり、モデル構築に必要なデータの取得を進めている。当初の予定とは前後するものの、今後フェーズ1の力学モデル構築を実施予定であり、計画は順調に遂行していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度は伝い歩き動作に最も影響を及ぼすと考えられる家具の高さの条件をターゲットに研究を進めた。今後は把握の方法を条件として多様な伝い方における歩行動作の計測を実施予定である。
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