研究課題/領域番号 |
22K13630
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 育英大学 |
研究代表者 |
田中 怜 育英大学, 教育学部, 講師 (30835492)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ドイツ教授学 / 演劇論 / アートとしての授業 / 教えのアート教授学 / 教授学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ドイツならびにスイスで演劇論を基盤に展開されてきた「教えのアート教授学(Lehrkunstdidaktik)」に着目し、「アートとしての授業」の理論と授業づくりの方法論を呈示することを目的としている。近年の教育方法学では、「教えること」が「学ぶこと」の劣位に置かれることで、授業づくりが所与の目的の合理的達成のための技術に矮小化されつつあることが危惧されている。そこで本研究では、教師による創造的な技芸(アート)と捉え直す授業像に立脚し、教える-学ぶという営みの演劇的構造に着目する「アートとしての授業」の理論基盤と実践方法を明らかにすることが目指される。
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研究実績の概要 |
本研究はドイツとスイスにおいて展開されている「教えのアート教授学(Lehrkunstdidaktik)」の運動を中心に、演劇論を基盤としたアートとしての授業づくりの構想と実践を明らかにすることを目的としている。 2022年度はこうした目的に即して以下の3点に取り組んだ。 第一に、教えのアート教授学を推進するGesellschaft fuer Lehrkunstdidaktik(教えのアート教授学会)に入会し、5月の年次総会(オンライン)並びに9月のサマースクール(於ルツェルン教育大学)に参加した。特にスイスのルツェルンで開催されたサマースクールでは、教えのアート教授学に関心を抱く現地の研究者や教師たちと積極的な交流を行うことができた。 第二に、上記の成果を基にして10月に日本教育方法学会第58回大会にて個人研究発表を行った。また12月には中国四国教育学会第74回大会のラウンドテーブルにて、成果の一部を基にした報告も実施することができた。 第三に、研究活動を通して明らかになった知見をまとめたものが、『関東教育学会紀要』(第49巻)に学術論文として掲載された。またもう一つの論文を別の媒体に投稿し、現在査読を受けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は当初より予定していた海外での調査活動、学会発表、そして論文投稿が概ね順調に進んでいるためである。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度も前年度と同様に海外での研究調査、学会発表、そして論文投稿を持続的に実施していく予定である。特に今年度は、教えのアート教授学に積極的に関与していたドイツの教授学者ヴォルフガング・クラフキ(Wolfgang Klafki)の陶冶理論的教授学のコンセプトを関心の主軸に据えることで、教えのアート教授学が普及させていった「教授劇(Lehrstuecke)」としてのカリキュラムのコンセプトと、クラフキの一般陶冶論である「鍵的問題(Schluesselprobleme)」との接点について焦点化しつつ研究を進めていく。
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