研究課題/領域番号 |
22K13644
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
古田 雄一 筑波大学, 人間系, 助教 (20791958)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 生徒の声 / 生徒参加 / 学校改革 / 教育経営 / 日米比較 |
研究開始時の研究の概要 |
保護者や地域住民の学校参加をめぐる議論や知見の蓄積に比して、重要な当事者である子どもの声を活かす学校改革の研究はいまだ限られる。これまでの研究で、子どもの参加の一般的意義は一定程度確認されてきたものの、学校に起こる具体的な変化や、取り組みの促進に必要な環境条件の解明はいまだ課題である。 そこで本研究では、諸外国で近年蓄積されてきた〈生徒の声〉(student voice)の理論的・実践的蓄積に示唆を得ながら、生徒の声に基づく学校改革を通じて生まれる変化や、改革の促進に必要な環境条件について、理論的な研究に加え、米国と日本の事例の比較分析を通じて解明することを目的とし、研究を行う。
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研究実績の概要 |
初年度は、生徒の声を学校改善に結び付けるアプローチの一つとして、アメリカで近年広がりを見せる学校風土調査(school climate survey)に着目して研究を行った。アメリカでは、学校が提供する教育の質をテストスコアだけでなく幅広い指標で捉える動きが広がり、「学校風土」(school climate)も指標の一つとして注目され、その測定には児童生徒への質問紙調査(学校風土調査)がよく用いられる。今回の研究では、イリノイ州シカゴ学区の事例に関する資料を収集し、学校風土調査の活用実態や課題について明らかにした。こうした調査は、当該学校の生徒の学校経験の実態を捉え、それを学校改善に活かす手段として一定の可能性を有することが見出されたが、同時に州のアカウンタビリティ・システムに組み込まれる場合など、政策上の位置づけ次第では学校改善に活かすことが困難になるといった課題も見出された。また、学校風土調査だけで生徒の声を捉えようとするには限界があり、調査を起点に生徒との対話などを通じて、さらに生徒の声を拾い上げていくことが肝要であることも示唆された。以上の事例研究については論文化が完了している。 また、論文化には至っていないが、他のアプローチに基づくアメリカの事例についても調査を進めている。こうしたアメリカの事例研究とあわせて、「生徒の声」に関連する文献を渉猟し、理論研究を進めている。また2023年度から本格的に着手する国内の事例研究の準備も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響により、当初の計画で予定していた訪米調査については初年度はできなかったものの、文献や資料に基づく研究に切り替え、生徒の声を学校改善に結び付けるアプローチの一つとして、アメリカで展開される「学校風土」調査の政策や実践の事例について調査および論文執筆を進めた。 また、初年度に予定していた理論研究や、国内の事例研究の準備も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度(以降)は、次のような形で研究を進めていく。 第一に、理論研究については、引き続き文献に基づき研究を進めていく。 第二に、アメリカの事例研究については、初年度はコロナ禍の影響で実施できなかった訪米調査も含めて準備し、さらに多角的な検討を進めていく。 第三に、日本の事例研究にも着手し、日米比較の視点からも研究を深めていく。
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