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貧困層の経済・教育達成政策の効果分析―ケニアの教育費支援・乳幼児ケアを事例に

研究課題

研究課題/領域番号 22K13658
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分09020:教育社会学関連
研究機関創価大学

研究代表者

島田 健太郎  創価大学, 教育学部, 講師 (90829178)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード格差是正 / 教育費支援 / ケニア / 乳幼児ケア / 世代間移動 / 格差是正策 / 擬似パネルデータ
研究開始時の研究の概要

本研究は「上方世代間移動(貧困層の経済・教育 達成)に影響を与える教育制度・政策はどのようなものか」という学術的問いを設定し、公正な教育制度構築を支援する格差是正策の効果を解明することを目的とする。上方世代間移動を促進する政策(教育費支援・乳幼児ケア)効果を検証する。まず、格差是正策の動向を調べ(現地・文献調査)、次に疑似パネルデータ分析によって教育費支援の効果、乳幼児ケアの効果を検証する。独自性は経済的制約の改善、早期教育介入の中長期的な効果を検証する点、創造性は複数データの結合による分析精度向上の方法論である。本研究は教育制度に限らず社会保障政策の改善への波及効果が期待される。

研究実績の概要

教育普及が開発途上国での相対的貧困を顕在化させた。今後は格差是正策を中長期的な視点で検証することが必要である。そこで、本研究は「上方世代間移動(貧困層の経済・教育達成)に影響を与える教育制度・政策はどのようなものか」という学術的問いを設定した。本研究の目的は、公正な教育制度構築を支援する格差是正策の効果を解明することである。特に教育費支援、乳幼児ケアに関する政策の効果を検証する。具体的には、(1)格差是正作の動向を調べる、(2)複数のデータセットを組み合わせより精緻な分析(擬似パネルデータ化など)の実施で、教育費支援策、乳幼児ケアの効果を検証する。本研究の独自性は、経済的制約の改善、早期教育介入の中長期的な効果を検証する点である。創造性は、複数データの結合による分析精度向上の方法論である。本研究は教育制度に限らず社会保障政策の改善への波及効果が期待される。
今年度は、研究計画を踏まえて世代間移動への効果のある政策についての研究が進んだ。初等教育無償化政策の長期的な影響を検証した論文がまもなく出版される予定である。初等教育無償化政策によって恩恵を受けた世代は、上方教育移動を果たした一方で、貧困のサイクルを脱却するのに、十分な賃金の上昇には至っていなかった。今後、格差是正策に関するレビューについては現地協力者と連絡を取り、調査を開始する予定である。また教育費支援による進学の影響、育児リテラシーに関する分析についても、今年度に着手する予定である。奨学金、社会保障政策による就学改善の影響について、分析に使用するデータを入手できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、「上方世代間移動に影響を与える教育制度・政策はどのようなものか」という問いのもと、貧困層出身者の上昇移動を促す格差是正策(教育費支援・乳幼児ケア)の影響を考察する。3つの観点から進捗状況を報告する。
(1)格差是正策の動向の把握は、ケニア・ナイロビ市内での聞き取り調査を想定していたが、現地の研究協力者とのコンタクトが取れた為、遠隔調査での依頼も検討している。政策実施状況の文献レビューも依頼し、その成果を今年度中に一部報告する予定である。したがって、概ね順調に進んでいる。(2)世代間移動への効果は無償化政策や奨学金支援といった教育費制約を抱える子ども達を対象に、家計調査を用いて分析を行なってきた。成果の一部は論文への投稿や学会での発表で行った。擬似パネルデータにする家計調査のデータセットを入手したこと、分析枠組みについての整理が進んだことで順調に進んでいるとした。最後に、(3)高等教育進学率上昇への効果に関する研究についても順調に進んでいる。分析に使用するデータの結合を行い、分析を進めている。最新のデータセットには幼児のリテラシーに関する変数や社会保障に関する受給額もあるため、(2)の分析と関連付けて分析を行う枠組みの選定を行なっている。
昨年度は学内の様々な業務の中で本研究が進められなかったが、今年度は業務調整や日々の行動計画を見直し、研究する時間を確保し、分析や執筆に充てることができた。文献を整理するツールや執筆支援ツール、また、研究環境を整えるために機器や書籍の購入したことも大きかった。さらに、新たにセミナーなどに参加することで新しい研究手法の学びに繋がり、より効率・効果的に研究活動を遂行することができた。

今後の研究の推進方策

本研究は、「上方世代間移動に影響を与える教育制度・政策はどのようなものか」という問いのもと、貧困層出身者の上昇移動を促す格差是正策(教育費支援・乳幼児ケア)の影響を考察する。3つの観点から今後の研究の推進方策を報告する。
(1)格差是正策の動向の把握について、今年度は遠隔調査の実施か否かを上半期に決定する。また、政策実施状況の文献レビューの支援を依頼する。その成果を今年度中に一部報告する予定である。そのレビュー内容をもとに下半期に調査項目を選び、調査許可証の申請を進める。
(2)世代間移動への効果について、新たに入手した家計調査のデータセットを既存のデータセットと結合することを目指す。また、新たに構築した分析枠組みに沿って、予備的調査結果を出して成果を研究会などで報告する。
(3)高等教育進学率上昇への効果について。現在進行中の分析を終えて、成果を報告、論文にまとめて投稿する。
より確実に研究時間を確保するため、業務調整や行動計画を見直すだけでなく、職場や研究者のネットワークを用いて、それぞれのタスクが遅滞なく進むような仕組みづくりをしていく。新たに導入した研究支援ツールを有効活用し、生産性を上げていき、今年度は成果の発信に力を入れていく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] ケニアにおける女性の不就学の実態と規定因 ―2014年人口保健調査を用いて-2022

    • 著者名/発表者名
      島田健太郎
    • 雑誌名

      教育学論集

      巻: 75 ページ: 65-80

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ニアにおける女性の不就学の実態と規定因 ―2014 年人口保健調査を用いて―2023

    • 著者名/発表者名
      島田健太郎
    • 学会等名
      第31回アフリカ教育学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 学齢期女子の不就学規定因の変遷について -ケニアの人口保健調査を用いて-2023

    • 著者名/発表者名
      島田健太郎
    • 学会等名
      第59回日本比較教育学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] The Long-Term Effect of Universal Primary Education Policy in Kenya: Is Education A Driving Force of Intergenerational Mobility?2022

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Shimada, Keiichi Ogawa
    • 学会等名
      The 29th Conference of Japan Society for Africa Educational Research
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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