研究課題/領域番号 |
22K13666
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 広島大学 (2023) 島根大学 (2022) |
研究代表者 |
伊藤 優 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80781054)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 保育者研修プログラム / 危険予測・回避能力 / ヒヤリハット |
研究開始時の研究の概要 |
乳幼児の危険防止には保育者の経験に頼るだけではなく、保育者に危険予測・回避できる実践的力量形成が重要であり、それを組織的・継続的に高める研修の提供が欠かせない。しかし、危険防止の研修は単発的で形骸化している場合が多く、保育者が危機意識を持ちにくい現状が危惧される。加えて多忙な保育者には無理のない研修が必要である。
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研究実績の概要 |
本研究は、危険防止に関する実態を把握した上で、ICTを用いた保育者の危機意識・当事者意識を高める体験教材と保育者が手軽に危険を記録・共有できる仕組みを有効活用しながら、継続可能な保育者研修プログラムを開発・実施し、その有効性を検証することを目的とする。本研究を遂行し、令和5年度の成果は下記の通りである。 1)危険防止に関する保育施設の取り組みや促進・阻害要因等を調査するため、質問紙調査を実施した。 2)保育者養成校の学生がイメージしやすく、話し合いを深められるような危険予測・回避能力育成のためのICT教材を作成し、保育者志望の学生及び現職保育者を対象にその効果を検討した。子どもが帰宅した後のF幼稚園の園庭および保育室に危険箇所をいくつか作り出し、360度カメラで撮影し、時間経過に伴って危険箇所と理由が吹き出しで現れる仕組みを作った。F幼稚園の同意を得、参加者のスマートフォンでも映像が見られるようにし、スマートフォン自体を動かすことで映像を上下左右に移動させることが可能となる(タッチパネルも使用可)。まず、吹き出しが現れる前の状態で危険箇所の話し合いを行い、その後正解の吹き出しを見て再度話し合いを行った。幼稚園教諭免許取得予定かつ保育者志望の学生4名およびF幼稚園の保育者6名に作成したICT教材の使用を求めた。その後、ICT教材の良かった点や改善点について意見を求めた。その結果、学生や保育者に危険予防に関する当事者意識や安全に配慮する意識を高め、言語では説明困難な危険状況においても理解を促すことが示唆された。このことからも、日常の保育場面での危険状況を提示するICTツールを有効活用することで、学生や保育者の危険予測・回避能力を育成できる可能性が示唆された。一方で、映像の画質や追加機能などを工夫することで、より使いやすい教材になるよう使用者の要望を収集する必要性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
危険防止に関する保育施設の取り組みや促進・阻害要因等を調査するため、質問紙調査を実施した。また、ICTを用いた保育者の危機意識・当事者意識を高める体験教材と保育者が手軽に危険を記録・共有できる仕組みを開発中である。
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今後の研究の推進方策 |
1)保育者を対象に実施した質問紙調査を分析する 2)ICTを用いた保育者の危機意識・当事者意識を高める体験教材の改良と保育者が手軽に危険を記録・共有できる仕組み作りを開発する 3)これまでの成果を引き続き国内外で研究発表し論文化していく。
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