研究課題/領域番号 |
22K13672
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 甲南大学 (2023) 中京大学 (2022) |
研究代表者 |
西尾 千尋 甲南大学, 文学部, 講師 (50879939)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 物と関わる行為 / 乳幼児の発達 / アフォーダンス / 養育・保育環境 / 相互行為 / 発達カスケード / 養育環境 / 描画行為 |
研究開始時の研究の概要 |
養育・保育環境で自然観察を行い、乳幼児が物と関わる行為が発達に与える影響について、物・人・場所の環境のアフォーダンスの観点から検討する。乳幼児の物との関わりは、主に認知発達の領域で扱われてきたが、日常にある多様な物の探索や、周囲の人、場所が物と関わる行為の発達に与える影響については、十分な知見が蓄積されていない。乳幼児が能動的に探索する物の性質、物との関わりが生起する場所、探索の仕方・関わり方の変化、遊びや養育者との相互行為にどのように用いられるのか、などの点から分析し、物と関わる行為の発達的変化を促進する要因と、物との関わりが発達に与える影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、乳幼児の物と関わる行為(Object Interaction)の発達における変化の要因を、物・人・場所の環境のアフォーダンスの観点から明らかにし、物と関わる行為の発達が、遊びや社会的相互行為などの乳幼児期における重要な行動の発達に与える影響を生態学的に解明することを目指すものである。方法としては、養育・保育環境での自然観察を縦断的に行っており、乳幼児が能動的に探索する物の性質、物との関わりが生起する場所、探索の仕方・関わり方の変化、遊びや養育者との相互行為にどのように用いられるのか、といった点から分析し、物と関わる行為の発達的変化を促進する要因と、物との関わりの発達が行動の発達に与える影響について検討している。 本年度は、家庭での観察と保育園での観察を継続する一方で、複数の物を系列的、組織的に扱う行動の発達について、遊びと片付け行動に焦点を当てた縦断的分析を行い、Frontiers Psychologyに論文”Putting things in and taking them out of containers: a young child's interaction with objects” として発表した。物の出し入れ遊びが社会的な文脈に埋め込まれ片付けとして成立する過程を明らかにすることができた。また、書籍『からだがかたどる発達 : 人・環境・時間のクロスモダリティ』の乳幼児の物との関わりと身体をテーマとした節の分担執筆を担当した。日本発達心理学会第35回大会ではラウンドテーブル「レイアウトから探る保育環境園庭・保育室での遊び・運搬・片付けの視点から」において話題提供を行い、複数の人が並行して異なる活動を行う保育環境において、物の出し入れや配置換えから子どもがどのような情報を知覚するのかという観点から議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
家庭、保育施設でのフィールドワーク・動画撮影は概ね順調に進んでいる。成果として論文を国際学会誌に発表することができた。保育施設においては今年度もデータ検討の研究会を保育者とともに行うことができ、分析結果の考察を深めるとともに、保育現場へ研究成果を還元することにもつながった。発達心理学会においても保育環境について議論を行うことができ、保育現場とのつながりを深めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き家庭、保育施設でのフィールドワークを行う。複数の子どもと保育者が相互作用するという点において保育環境が家庭環境と異なる点に注目し、分析を進める予定である。成果を国際学会において発表する。
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