研究課題/領域番号 |
22K13681
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
呂 小耘 帝京大学, 教育学部, 助教 (30813125)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 幼児の自発的な関わり / 絵本との関わり / 絵本の環境 / 幼稚園と保育園の相違 / 保育者の援助の仕方 / 子どもの反応 / クラスの反応 / 保育者の専門性 / 保育者の認識 / 保育環境の構築 / 関わり方の形成 / 子どもの育ち |
研究開始時の研究の概要 |
幼児期から未来の生きる力の基礎となる身近な言語環境への主体的な関わり方を育成することが重視されている。しかし,保育者が構築する言語環境は多様であり,現行の保育現場の言語環境の実態並びに保育者の認識の究明が求められている。 本研究は第1に,異なる幼児教育施設の5歳児クラスの言語環境を観察し,幼児の主体的な関わり方及び保育者の援助等の実態を明らかにする。第2に,幼児教育現場の5歳児クラスに共通する言語環境の構成要素を捉え,適切な言語環境の定義を明らかにする。 本研究よって,幼児の主体的な関わり方を育てるための具体的な言語環境を構築する仕方を提言することを目指す。
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研究実績の概要 |
2023度は、一昨年や昨年に行った参与観察で収集したデータを分析し、学会発表計2件を行った。 発表1では、一昨年に観察した保育園の5歳児クラスの自由時間に着目し、幼児の自発的な絵本との関わりの実態及び時期的な変容を検討した。その結果、幼児たちは「自由遊び」以外に、給食やおやつの前後、午睡の前後、一斉活動後のような「隙間時間」に自発的に絵本の関わることが多く見られた。また、11月、12月は1月、2月と異なる傾向が見られ、時期的な変容が見られた。 発表2では、発表1の保育園5歳児クラスに加え、3年前に観察した幼稚園の5歳児クラスの自由時間を合わせて幼児の自発的な絵本との関わりの実態を検討した。その結果、幼稚園と比べると保育園の保育時間が長いため、午後の遅い時間帯でも幼児の自発的な関わりが見られた。また、2園の種別は異なるが、給食後や活動後の「隙間時間」等同じタイミングで幼児の自発的な関わりが見られた。しかし、2園の保育者は集団の絵本の読み聞かせ場面を大事にしているが、幼児たちの自発的な絵本との関わりについての意識はより低かった。保育者のインタビューのデータを加え、保育者の意識を高める手かがりをさらに明確にする必要性があった。
また今年度は観察の協力をいただいた園の経験の異なる保育者を対象として、1)絵本の読み聞かせについての考え、2)絵本の選び方、3)絵本に関する言語環境についての考え方、4)絵本に関する考えの変容のプロセスと変化のきっかけについてインタビューを継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は第1に、異なる幼児教育施設の5歳児クラスの言語環境を1年ずつ観察し,幼児の主体的な関わり方及び保育者の援助等の実態を明らかにする。研究計画通りに観察を終え、今年度から、未分析のデータの分析を進めた。 そして第2に、幼児教育現場の5歳児クラスに共通する言語環境の構成要素を捉え,適切な言語環境の定義を保育者の語りから明らかにする。そのため、今年度では園長経験者以外の経験年数の異なる保育者を対象にインタビューを行ったが、予定よりインタビュー数が少なかった。 また、2023年度ではこれまでに行った観察で収集したデータを分析し、学会発表計2件を行った。 以上をもって、2023年度はやや遅れていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
1)2023年度では園長経験者以外の経験年数の異なる保育者を対象に行なったインタビュー数が少なかったため、2024年度は続けてインタビューを行う予定である。 2)これまでの参与観察で得られたデータの分析を進める予定である。2024年では、主に幼稚園と保育所の5歳児クラスを対象として、1)集団の絵本の読み聞かせ場面、2)幼児の自発的絵本と関わる場面、3)絵本の貸し出し場面に着目し、これまでの学会で発表した時得られた助言を参考にし、分析を進める。 3)研究の成果の発表について 2024年度では、国際学会に1件、国内学会に1件、計2件発表準備を行う。また、2024年度では昨年度中に学会で発表した内容を整理し、2つの学術誌に論文を投稿する。
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