研究課題/領域番号 |
22K13685
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
清水 大輔 産業医科大学, 大学病院, 助教 (20644363)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 先天性心疾患 / 医療的ケア児 / 就園 / インクルーシブ教育 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、重症の先天性心疾患児の救命率は上昇し、その結果、経鼻酸素投与等を行っている児童が増加している。彼らの成長発達を鑑みると一般の保育施設での就園が望まれるが、保育施設側からは就園を敬遠されることも少なくない。過去の研究で彼らの就園を阻む理由として保育士不足などマンパワーの問題だけでなく、医療機関との連携・急変時の対応・運動参加への不安も多くを占めた。 本研究は、①先天性心疾患の児の就園状況調査、②彼らの就園をすすめる上で解決すべき事象の把握、③保育施設・医療施設・行政で情報共有しやすいシステムの構築を行い、先天性心疾患児が健常児と共に学べるインクルーシブ教育を実現させたい。
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研究実績の概要 |
重症先天性心疾患児(CHD)の救命率上昇により、動ける医療的ケア児(経鼻酸素投与等を行っている児童)が増加した。彼らの成長発達を鑑みると一般の保育施設での就園が望ましいが保育施設側から敬遠されることも少なくない。本研究はCHD児の就園状況調査を行い、児の情報を医療機関・保育施設で共有するシステムを構築し、就園しやすい環境を作り出すことである。 福岡県内就園施設(障害児総合療育施設は除く)のアンケート調査で464施設(対象施設の15.9%)から回答を頂いた。現在76名(総園児数の0.2%)のCHD児が53施設(総施設数の11.4%)に就園していた。『CHD児の就園は可能か?』という設問で8割の施設で就園困難な状況と判明し、園種での違いはなかった。就園困難な理由は、『知識不足』『看護師不足』『保育士不足』であり、CHD児の就園率を看護師在園施設と不在の施設で比較すると在園施設で明らかに就園率が高かった。『園児の病状を共有するツールは有効か?』という設問で82%の施設で有効と回答されたが、ツールを有効利用するためには看護師在園が不可欠との意見もあった。現在、国でも保育施設への看護師在園をすすめる制度作りを行っているが、CHD児就園のためには看護師在園率を上げることが必要であることが判明した。 また患児家族へのアンケート調査を解析中であり、同結果もふまえてCHD児の就園における問題点を整理し、CHD児の就園に携わる医療機関・保育施設・園医・行政で情報共有できるツールの作成を行いたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アンケート回答率が低く、アンケート実施期間の延長に伴い進捗が遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度中に患者家族へのアンケート調査結果をまとめCHD児の就園に携わる医療機関・保育施設・園医・行政で情報共有できるツール作成を行う。
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