研究課題/領域番号 |
22K13689
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
玉腰 和典 富山大学, 学術研究部教育学系, 講師 (60797174)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 認識形成過程 / 体育科教育 / 戦術・技術 / 思考スキル / 戦術 / 技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、体育科教育における戦術・技術認識の形成過程における思考スキルの実証的解明を目的として、以下の3つの研究課題に着手する。まず、体育科教育における戦術・技術学習で獲得すべき思考スキルを検討し、分析枠組みとなる思考スキルのカテゴリ ーを構築する。次に、本研究で新たに構築する思考スキルのカテゴリーを使用し、体育授業における毎時間の学習者による感想文を内容分析する。その結果から、学習過程における認識対象と思考スキルの関連性を検討し、認識形成過程における思考スキルの活用を構造化する。そして、思考スキルを活用させる学習指導方法を構想し、体育授業づくりへの適用を通して、研究成果を緻密化・精緻化する。
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研究実績の概要 |
本研究は、体育科教育における戦術・技術認識の形成過程における思考スキルの実証的解明を目的としている。体育授業において、学習者は運動の実態・課題・方法を分析するための様々な思考スキルを活用する。今年度は、まず、体育科教育固有の認識方法として提案された経緯をもつ比較に着目し、実践事例を分析した。実践は、中学校1年生40名を対象にしたマット運動であり、Jam Boardを活用した(補助)倒立前転における見本動画と試技画像分析の比較による課題記述内容を分析した。結果、8割の学習者が自己の適切な技術課題を分析できており、次時における課題探究活動につなげられていた。なお、別の学級において課題だけではなく解決の方法も記載するよう指示したが、ほとんどの学生が視覚的な変化を記述しており、動作を発現するための予備動作などに着目することができていなかった。このことは、比較による実態把握から課題を分析できる一方で、解決方法については探求的な学習を組織化し、複線的な認識形成の過程をたどる必要性を示唆している。また、今年度は、小学校中学年のホールディングバレーボール実践を対象として、感想文の内容分析方法から認識形成過程の実態を解明した。認識対象別記述数をみると、【方法】と【方法に関する実態】の記述数が多いことから、授業全体としては、推測した方法や助言した(された)課題解決方法が成功するかを確認する認識形成過程や、成功した事実から有効な方法を考察する認識形成過程などが多くみられたことが示唆された。また、「方法に関する記述」が多くなったことから、戦術学習によって課題を解決する場面が多くみられたと考えられる。以上のように、今年度は、授業全体の認識形成過程および授業内の認識活動場面の両面において、その特徴を解明した。これらは、認識形成過程における思考スキルの活用に関わる仮説生成において有効な成果となろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度においては、認識形成過程についての感想文分析による実証的な研究を実施するとともに、具体的な思考スキルを活用した学習指導場面に着目した事例研究を実施することができた。認識形成過程の分析事例を1つ増加できたことで、今後、思考スキルに関連する分析を円滑に進行することができるようになった。一方で、今年度は、具体的な指導場面も1事例、かつ、1スキルにとどまっており、複数の事例を分析できていない。また、認識形成過程おいては、本格的な調査の前段階の分析にとどまったと言える。次年度においては、今年度実施した調査を土台にして、発展的な研究を遂行することがもとめられる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、実態(課題の実態と方法の実態)・課題・方法の分析枠組みを使用した認識形成過程の実態を解明した。次年度においては、これまで遂行した事例もふまえ、データを思考スキルの枠組みを使用して追加分析する。すでにデータを分析に耐えうるデータへと修正できているため、円滑に進行する。その上で、今年度実施した具体的な学習指導場面に着目していくために、認識形成を促進する学習指導のモデルを事前に構想し、そこから思考スキルの活用の成果と課題についてより具体的な質的データを抽出して解明していく。
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