研究課題/領域番号 |
22K13731
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
|
研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
山岸 直司 桜美林大学, グローバル・コミュニケーション学群, 准教授 (10740003)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | グローバル化 / 国際化 / 海外キャンパス / 高等教育 / グローバル / 中国 / 留学 |
研究開始時の研究の概要 |
規模縮小が進む日本の高等教育は厳しい状況にあるが、中国の大学の日本校は、日本国内外からの学生の募集と教育に実績を上げている。本研究は、従来の高等教育の国際移動の枠組みでは理解できない中国大学日本校の成功要因を探るため、その教育的価値を検討する。 教育的価値を補足するため、本研究はカレッジインパクト、学修成果、カリキュラム等に関する高等教育研究の蓄積を参考に、「1. 理念→2. 教育へのインプッツ→3. 教育環境→4. 学修成果」の4側面から分析を行う。 教育的価値を検討することで、英語が圧倒的優位な現状下、日本を含めた非英語圏の高等教育が多様な国際化を実現するための示唆を得ることも期待する。
|
研究実績の概要 |
本年度は大きく2つの成果を達成した。第一は、査読付き論文を執筆したことである。第二は、前者の論文をもとにしたプロポーザルを2024年7月に開催される比較教育学会世界大会(World Congress of Comparative Education Society:WCCES)に投稿し、査読を通過し、発表が認められたことである。 第一の点については、既存の理論枠組みの不備を明らかにし、新しいモデルの必要性を提起した。具体的には、大学による海外キャンパスの開校に関連する先行研究を渉猟し、開校を説明する理論枠組みを3つに整理したうえで、それら理論枠組みの全てが日本での海外キャンパス開校を説明できないことを明らかにした。そして、経済学・経営学・比較教育学の3つの側面を視野に入れて、日本における海外キャンパス開校を説明できる新しいモデルの可能性を提起した。 第二の点については、これまでの調査結果に、日本における海外キャンパスの1つであるテンプル大学ジャパン(Temple University Japan:TUJ)でのインタビュー調査での知見を合わせることで、TUJの成功要因を分析した。すなわち、企業による海外直接投資に関する一般理論であるOwnership-Location-Internalization (OLI) paradigmをTUJに適用することで、その成功要因の核が、TUJ執行部とアメリカ本校であるテンプル大学執行部との間の信頼関係であることを提示した。この成果を第18回WCCESに投稿したところ、査読を通り、2024年7月の発表が認められた。WCCESは3年に1度開催され、世界中の比較教育学者が結集し、比較教育の視点から重要なテーマを議論する大会である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
中国大学の日本校に関する基本的な調査は完了した。しかし、詳細な検討に必要な個別具体的な調査(例:インタビュー調査)についての協力は承諾が得られていない。海外キャンパスの教育的価値を明らかにするには、個別の具体的な調査必須であると想定される。引き続き、協力の可能性を探ると同時に、他のケースについての研究を進めた(TUJのケース)。
|
今後の研究の推進方策 |
海外大学日本校の教育的価値を明らかにするには、個別具体的な調査が必須であると想定される。中国大学からの協力の可能性を探る努力を継続する。同時に、協力の得られる機関に引き続きアプローチすることで、研究を継続する。WCCESに投稿した内容をさらに進展させ、論文として投稿することを目指す。
|