研究課題/領域番号 |
22K13733
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
西野 毅朗 京都橘大学, 経営学部, 准教授 (20781602)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 卒業研究 / 評価規準 / ルーブリック / 学士課程教育 / 研究能力 / 研究過程 / 研究成果 / 卒業論文 / ゼミナール教育 / 研究室教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、学士課程教育の集大成ともいえる卒業研究の評価基準の内容・策定過程・活用法について、質問紙調査とインタビュー調査を用いた混合研究法によって明らかにすることを目的とする。研究計画としては、第一に文献研究を行い、公開されている評価基準・策定過程・活用法を概観する。第二に学科長調査を行い全国的な現状を明らかにするとともに、分野別のグッドプラクティスを発見する。第三に、当該学科の教員および学生にインタビュー調査を行うことで、より具体的な状況を把握する。 学士課程教育における最終的な学修成果の客観的評価による可視化を促進し、学生がより質の高い卒業研究を行うことを支援することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究全体の目的は、学士課程教育の全分野における卒業研究の評価基準ならびにその策定過程と活用方法を明らかにすることである。そして、学士課程教育の最終的な学修成果の客観的な可視化を促進すること、ひいては卒業研究の質を向上させる一助となることを目指している。 2022年度は5年間の研究計画の1年目にあたり、先行研究や事例の収集と分析に基づく分野を越えた卒業研究評価規準の体系化を試みた。具体的にはGoogleおよびCiNiiを用いて卒業研究の評価規準の事例を24件収集し、基準そのものを質的統合法(KJ法)を用いて分析した。 その結果、卒業研究の評価規準は、大きく【研究能力】【研究過程】【研究成果】の3つのカテゴリーで構成され、体系化できることが明らかになった。具体的には、【研究能力】は[知識][態度][技能]が規準化されており、卒業研究が多様な能力を評価しうることが示された。【研究過程】では、テーマ設定や先行研究の分析、目的・問題・目標・課題・仮説の設定、研究方法や結果、まとめといった[研究構成]のほか、研究倫理や技術者倫理といった[倫理]、論文やプレゼンテーション・制作物といった[表現]が評価される。【研究成果】は、貢献性、独創性、卓越性が規準としてあり得ることが明らかになった。 これまでの先行研究では、特定領域における卒業研究の評価規準の重みづけについて分析されてきたが、本研究を通じてそもそもの評価規準の多様性と体系性を明らかにできた点は意義のある成果になったと考えている。一方で24事例という限られた対象の分析結果となっており、どの程度一般化できるかについては引き続き課題として残されている。2023年度には、全国学科長調査を実施予定である。より広く深い分析を試みたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述の通り、先行研究や事例の収集およびそれらの分析を予定通り実施することができた。研究成果も論文として発行することがでた。したがって、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
2年目にあたる2023年度は、全国学科長調査を計画している。設計した質問紙を倫理審査にかけ、承認が得られ次第、郵送調査を実施する。郵送調査の実施に当たっては、専門業者に印刷・配布・回収・集計作業を委託することにより、正確で迅速に研究を推進していけるように計画している。得られたデータはまず記述統計による速報としての研究成果を公表し、後に推測統計を用いた仮説検証型の論文を作成したいと考えている。また、調査結果からグッドプラクティスを選定し、インタビュー調査を計画していく予定である。
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