研究課題/領域番号 |
22K13737
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
青木 瑛佳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (10933947)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 発達特性 / 発達障害 / ニューロダイバーシティ / 質問紙調査 / インタビュー調査 / 学校適応 / レジリエンス |
研究開始時の研究の概要 |
発達障害が社会で注目を浴びる中、特別支援教育の利用児童数が増加している。一方で、通常学級にも学校適応に困難を抱える子どもは存在すると考えられ、彼らの困難さに対処することは、現在の特別支援教育中心の支援だけでは限界があると考えられる。本研究では、より多様な支援方法を模索し、提案していくため、発達障害児者と共通する特徴を持ちつつも、日常生活にうまく適応できている子どもたちの学習法や対人関係構築方法を、インタビューや質問紙調査を実施することで調べる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、発達障害児者と共通する特徴を持ちつつも、日常生活にうまく適応出来ている子どもたちの学習法や、人間関係構築方法を調べ、それに基づきあらたな支援方法を提案していくことである。 研究実施に当たり、当初は、質問紙調査で通常学級に在籍する生徒の中からASDやADHDの発達特定が強く学校適応度が高い生徒の存在を示し(研究1)、それらの生徒の「適応戦略」を半構造化インタビューで調べ(研究2)、さらにそこで特定された「戦略」が発達特性が強い生徒に有用かを別の調査で調べる(研究3)という計画を立てていた。しかし、実際に調査を行うにあたって、発達特性が強い「特定の生徒を抽出」してインタビューを行うという計画の実施が難しいことが分かった。そこで、研究1と2を統合させた別の研究計画を立案し、2022年度末から2023年度初めにかけて実行した。具体的には、「適応が高い生徒が多そうな」特定の高校(某進学校)の生徒約200名を対象に質問紙調査を行い、その調査の中で適応戦略の一部を自由回答で尋ねることにした。質問紙調査でたずねることが難しい項目に関しては、「発達特性の強さに関係なく」インタビューに参加してもよいと回答した生徒40名を対象に、オンラインインタビューでたずねた。 質問紙調査の結果、学力的に高い高校の通常学級で、少なくない数のADHDやASDの発達特性がある生徒がいることが分かった。ASD特性やADHD特性がある生徒はそうでない生徒より、主観的幸福感が低く、ASDの特性がある生徒は友人関係満足度が低かったが、これらの特性を持つ生徒の中でも、学校適応感や主観的幸福感が高い生徒もいることが分かった。これらの結果に関しては、2023年9月の日本心理学会の学術大会および、2024年3月のニューロリハビリテーション学術大会で発表した。自由記述やインタビュー回答に関しては現在分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の前半部分(研究1~2)である、多様な発達特性がある人の適応戦略を調べるためのデータ収集は既に実行した。<研究1>にあたる「通常学級内にいるASDやADHDの発達特性を持ちつつ適応している生徒の存在の特定」に関しては、学会発表も既に行っている。また、<研究3>に関しては、研究代表者が参加している別の研究プロジェクトで実施している、研究1~2を実施した学校と類似の特徴を持つ学校での質問紙調査の中で、併せてデータ収集を行うことが可能であることが決定している。そのため、本研究計画は「(2)おおむね順調に進展している」と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り、本研究の前半部分のデータ収集は終了し、後半部分に関しても、別研究プロジェクト内でデータを併せて収集できることが既に決定している。そのため、2024年度以降は、ここまでに収集したデータの分析を実行し、研究成果を学会発表や論文の形で公開していくことに注力する。
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