研究課題/領域番号 |
22K13739
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大森 幹真 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (50779981)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 英語学習支援 / つづり字反応 / 音素意識 / 視線機能分析 / 運動機能分析 / 英語学習 / 学習困難 / つづり字 / フォニックス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では3つの研究から英語学習の早期化に伴い増加する可能性がある英語学習困難児の早期発見と早期支援方法の確立を目指す。研究1では定型発達児と英語学習困難児の各30名に対して,日本語・英語間での発達・行動・視線指標を比較し,英語学習困難の要因を同定する。研究2では英語学習困難児30名に対して,つづり字の獲得を促す個別支援を行い,先行支援群と待機群間の比較から,つづり字反応獲得過程を分析する。研究3では研究1, 2の結果を再分析し,潜在的英語学習困難児の発見に向けたプロトタイプ指標の作成と,音素意識・つづり字反応・視線移動の各問題に適した分岐型早期支援カリキュラムを提案する。
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研究実績の概要 |
本研究では英語学習の早期化に伴い増加する可能性がある英語学習困難児の早期発見と早期支援方法の確立について,3つの研究から解明することを目的とした。2023年度の研究実施状況は以下の3点であった。①言語・行動間比較による英語学習困難評価研究:英語学習を継続的に行っている小学生を対象に、英語の音素スキル・フォニックススキルの発達的変化を検討しつつ、日本語の読み能力との関連を検討した。その結果、音素スキルの獲得は5年生を境に向上することが見られた。一方でフォニックススキルは小学校内の学年間での変化は見られなかったことを示した。②つづり反応促進型英語学習支援研究の実施:昨年度と同様の研究を実施し、英単語を構成する音素・フォニックスを時系列的に提示し,観察や音声模倣を求める介入訓練を行った。音素等の組み合わせを学習したことで少数単語の訓練から未学習の英単語の聞き取り書字と読みが可能になったことを明らかにした。また対象児をより低年齢でアルファベットの書きを獲得していない子どもたちに対して行った際も、同じように未訓練単語の読みを獲得し、音素得点も合わせて向上したことを示した(大森, 2023年9月)。③日本語・英語の書字困難評定プログラムの開発:定型発達児および発達障害児を対象に、書字場面時の運筆の様子を撮影し、画像解析を行った。その結果、書字困難リスクが高い群においては、低群にくらべて英語書字場面での視線停留回数や手元の見返し回数が多くなることを示した。さらには、両言語において高群の方が書字場面での身体の変動や揺れが多く、安定性が低いことも明らかにした(大森, 2023年12月, IoT行動変容研究会)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学会発表を3件行い,英語論文も2本執筆し,2本とも査読後の修正中であるため。また日本語論文の執筆についても開始している。さらには、2024年度に向けて学会発表および論文化可能なデータ取得も継続的に進めており、運動解析の手法を取り入れた評価プログラムも開発を進めてきている。また日英間の比較に加えて、日中バイリンガル児の音素・フォニックスの発達的な変化についても検討を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
研究の推進方策としては,前年から引き続き,英語学習困難評価研究とつづり字反応移行促進型学習支援研究を継続して実施する。さらには筆圧や運動機能の解析も継続的に実施し、運動面からの書字反応の困難さについても検討することとする。
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