研究課題/領域番号 |
22K13741
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 名古屋女子大学 |
研究代表者 |
堀部 要子 名古屋女子大学, 文学部, 准教授 (30910161)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 支援 / リーダー / 役割 / 行動 / 教育的ニーズ |
研究開始時の研究の概要 |
小学校には発達障害児等の特別な教育的ニーズのある児童が多数在籍し、対応に苦慮している。この状況を改善するためにはチーム学校での対応が求められる。それにはチーム支援を統括する校長や教務主任などのリーダーが必要であり、ニーズ児への支援に際してリーダーがどのような役割を果たし、どのように行動するかという視点が重要になる。本研究は、小学校の支援に関する実態調査とリーダーへの調査を行い、その結果と申請者の先行研究を分析・検討することで、支援に際して必要なリーダー別の役割と行動を明らかにする。さらに支援プロセスにおけるリーダー行動モデルを構築・検証し、ニーズ児への支援を促進するリーダー行動を示していく。
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研究実績の概要 |
本研究は、公立小学校で行われている支援に関する実態と、リーダーの実践事例や役割と行動に関する調査及び申請者の先行研究の結果を分析・検討し、ニーズ児への支援を実施する時に必要なリーダーの役割と行動を明らかにすることを目的とする。 本年度は、地域性や規模、教職員や児童の実態が異なる公立小学校5校に研究協力を依頼し、「リーダーの役割と行動に関する調査」を実施した。まず、各校のリーダー(校長、教頭、教務主任、特別支援教育コーディネーター、特別支援教育主任 等)を対象に、学校の特別支援教育に関する現況と各リーダーの意識についてアンケート調査を実施した。その結果、特別支援教育に関する現況においては学校ごとに共通点が多いこと、各リーダーの意識においては学校間や職別に差異がみられることが示された。次に、研究協力校2校においてリーダーへのインタビュー調査を実施した。その結果、特別支援教育コーディネーターの専門性と職階の違いにより、ニーズ児への支援プロセスでのリーダーのかかわり方に違いがみられた。引き続き、他の研究協力校のリーダーへのインタビュー調査を実施し、学校間及びリーダー間のリーダー行動の一致点と相違点を検討する予定である。 なお今後は、特別支援教育コーディネーターの指名人数(1名~3名)と専門性の違いに着目するとともに、管理職のリーダー行動を注視しながら、引き続き研究協力校におけるニーズ児への支援の状況を観察・調査する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
交付申請書には、今年度の予定として(1)ニーズ児への支援に関する実態の調査、(2)リーダーの役割と行動に関する調査、という2項目を設けて記載し、それぞれの項目について研究を進めてきた。(2)リーダーの役割と行動に関する調査については、概ね予定通りに研究を進めている。しかし、(1)ニーズ児への支援に関する実態の調査については、質問紙は完成しているものの、コロナ禍のために当初予定していた一部の市町村への依頼が困難になり、データ収集をより確実に行うためにも、来年度に調査を実施することが望ましいと判断した。(1)の質問紙調査の実施と分析については当初の予定よりも遅れることになるが、調査実施地域が増えることにより、より有益な研究結果を提供できることになるであろうと考える。以上の背景と研究の進度から、「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、本年度の成果を踏まえつつ、(1)ニーズ児への支援に関する実態の調査、(2)リーダーの役割と行動に関する調査、の2項目を実施する。 (1)ニーズ児への支援に関する実態の調査では、小学校の教職員を対象に、フェイスシートでリーダーか非リーダーかを尋ねた上で、ニーズ児への支援の状況、支援プロセスにおけるリーダーの役割意識と行動実態、担任教師がリーダーに期待する役割と行動等を質問する。調査結果をもとに、各小学校の支援に関する実態、現在のリーダー自身及び教職員の意識と行動の実態を把握する。 (2)リーダーの役割と行動に関する調査では、研究協力校と相談の上、支援場面の観察やケース会議への参加、巡回相談の実施などを計画する。これらを通して、研究協力校のニーズ児への支援の状況を把握するとともに、一人のニーズ児への支援プロセスで、どのリーダーがどのように関わるかを観察する。さらに、リーダーへの半構造化インタビューを個別に実施し、それぞれのリーダーがニーズ児への支援に際してどのような役割を果たしどのように行動したかを調査する。 来年度は上記のように調査を進め、再来年度の「ニーズ児への支援を促進するリーダーの役割と行動」の検討へとつなげたい。
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