研究課題/領域番号 |
22K13748
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
|
研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
五位塚 和也 大阪大谷大学, 教育学部, 准教授 (80783109)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 知的障害 / 特別支援学校 / メンタルヘルス / 心理教育的支援 / スクールカウンセリング / 心理教育 / 心理教育プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
現在、知的障害特別支援学校において、メンタルヘルスの不調を抱える児童生徒が増加しているものの、教員は限られた専門的資源の中でこのような課題に対応せざるを得ない現状にある。しかし、知的障害のある児童生徒へのメンタルヘルスに関する心理教育的支援には高度な専門性が求められるため、教育現場において適切な支援を提供することが難しいことが考えられる。そこで、本研究では、第一に、知的障害のある児童生徒のメンタルヘルスの状態に関する評価尺度を作成する。第二に、知的障害のある児童生徒を対象とした心理教育プログラムの作成と効果検証を行う。第三に、知的障害特別支援学校における教育実践への応用性の検証を行う。
|
研究実績の概要 |
本研究は、知的障害のある児童生徒のメンタルヘルスの保持増進に向けた心理教育的プログラムを開発し、効果的な教育実践の充実化を図ることを目的とする。本年度においては、知的障害特別支援学校においてメンタルヘルスに関するニーズの強い児童生徒への支援を実践し、これらの児童生徒に対する教員の評価について調査し、知的障害のある児童生徒へのメンタルヘルスの保持増進に向けた心理教育的プログラムおよび支援体制のモデル構築を行った。 ①特別支援学校において不登校状態にある児童生徒の実態と要因、有効な支援方法について調査を行った。その結果、小・中学校からの転入者において、情緒および行動上の課題が顕著であることが示された。また、家庭や児童生徒との関係作りや情緒的な支援、保護者との連携、教員間の連携に対して有効性を感じている教員が多いことが示された。研究成果は、令和5年度の日本心理臨床学会第42回大会で研究発表を行った。 ②特別支援学校におけるスクールカウンセリングに対する教員の評価を明らかにすることを目的として調査を行った。その結果、現行のスクールカウンセリングと同様の効果が特別支援学校においても期待できること、知的障害のある児童生徒への支援においては発達的側面が重視されること,教員の問題解決能力を高める長期的な効果があることが考察された。一方で、環境的な制限や,相談に伴う葛藤,心理職の機能の不明確さ,情報共有の不足などの課題を踏まえた支援が必要であることが示唆された。研究成果は、令和6年度に刊行される心理臨床学研究第42巻1号に掲載予定である。 ③特別支援学校における知的障害のある児童生徒へのメンタルヘルス支援について、実践内容を報告し、児童生徒の実態に応じて階層的に心理教育的支援の有効性について論じた。研究成果は、令和5年度に刊行された大阪大谷大学特別支援教育実践研究センター紀要第8号に掲載された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度においては、新型コロナウイルス感染症の拡大による学校現場での教職員の多忙化の状況を考慮し、大規模な児童生徒のメンタルヘルスに関する調査協力が得られず、予定していた規模のメンタルヘルスに関する調査を行うことができなかった。しかし、知的障害のある児童生徒の中でも、メンタルヘルスに関するニーズの強い児童生徒に対象を限定し、不登校状態にある児童生徒や社会的養護の必要な児童生徒を対象とした実態調査を行い、児童生徒のメンタルヘルスを評価する方法について検討を進めることができた。 令和5年度においては、知的障害のある児童へのメンタルヘル支援の効果に関する実践研究、特別支援学校におけるスクールカウンセリングを通したメンタルヘルス支援に対する教員側の評価について調査研究を行うことができた。さらに、これらの研究成果をもとに、特別支援学校におけるメンタルヘルス支援のあり方について検討し、階層的な心理教育的支援モデルを構築することができた。さらに、これらの研究成果は、学会で発表され、研究論文として学術誌、大学紀要に掲載された。
|
今後の研究の推進方策 |
令和6年度では、令和5年度に実践したメンタルヘルス支援に関するデータを分析し、学会での研究発表や研究論文として学会誌への投稿を予定している。
|