研究課題/領域番号 |
22K13763
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
|
研究機関 | 東京家政学院大学 |
研究代表者 |
原田 晋吾 東京家政学院大学, 現代生活学部, 助教 (00827446)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | デジタルインクルージョン / 知的障害 / 特別支援教育 / デジタル・インクルージョン / デジタルスキル / デジタルシティズンシップ教育 |
研究開始時の研究の概要 |
知的障害者のインターネット利用に関する現状を明らかにし、デジタルインクルージョンの実現に向けて、解決すべき課題を明らかにするこ とを第一の目的とする。この結果を受け、知的障害者が幼少期に習得すべきデジタルスキルやメディア情報リテラシーに関する事項、知的障害者を支援する者が担うべきICT利活用支援の内容、オンラインサービスを提供する企業等に求められる合理的配慮等について考察する。国内外において、知的障害者を対象としたデジタルシティズンシップ教育の事例等から、持続可能な支援のあり方とデジタル・インクルージョンに向けた取り組みの有効性を示し、解決すべき課題の整理と課題解決への手掛かりを提起する。
|
研究実績の概要 |
知的障害者におけるインターネット利用に関する現状と課題を明らかにするために、知的障害児が在籍する特別支援学校での授業見学及び教職員への聞き取りを中心に調査を行った。GIGAスクール構想により国内の特別支援学校では一人一台端末が配布され、各教室へWi-Fiが設置されたことにより、児童生徒がインターネットを利用できる環境が整えられている。 ICT活用を校内研究として掲げて推進する学校も多く見られ、インターネット上で使用できるサービスを一部利用しながら学習活動に取り組む例も報告されている。検索エンジンの利用や、チャット機能を使ったコミュニケーション指導などがそれに該当する。これらの学習活動では、授業を通して児童生徒に身につけてほしい目標があり、それを達成するための手段としてデジタル機器が使用される。また、先行研究や文献で報告されている事例も含め、知的障害のある児童生徒がインターネット利用について学習する機会では、使用する上でのリスク管理に関する内容が取り上げられることが多い。デジタルシティズンシップ教育や情報モラル教育、SNS上での性的トラブル等についてリスクを回避する方法について学ぶ授業等が中心となり、社会的生存に最低限必要なデジタル活用能力(ITリテラシー)の獲得支援を目的とした教育実践を行っている例は見当たらなかった。 学校内において、デジタル端末は教員が管理していることが多く、自宅への持ち帰りを制限している学校も少なくない。そのため、児童生徒はいつでもインターネットを利用できる環境にない場合が多い。一方で、個人のスマートフォン所有率は高まっていることから、児童生徒らは自身のデバイスからインターネットを利用していることが推測される。デジタル面のインクルージョン実現に向けて、社会で生活するのに必須のデジタル活用能力と、知的障害児者のインターネット利用状況の解明が求められる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現状と課題の調査結果に基づき、社会的生存に最低限必要なデジタル活用能力に関する仮説を立て、学校教育のなかで取り扱うべき指導内容について検討を行っている。仮説の妥当性を検証したのちに、質問紙を作成し、調査を実施する。
|
今後の研究の推進方策 |
知的障害のある児童から成人までを対象とした大規模な質問紙調査を実施し、インターネットの利用率、利用目的、デジタルスキルに関する知識や技能の習得状況、利用しているデバイスの種類、インターネットを利用していない理由等を明らかにする。
|