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児童生徒の内受容感覚の気づき: 尺度作成から介入まで

研究課題

研究課題/領域番号 22K13818
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分10020:教育心理学関連
研究機関福岡県立大学

研究代表者

小林 亮太  福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (50911442)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード内受容感覚 / 身体感覚 / 児童 / 感情制御 / 内受容感覚の気づき / interoceptive attention / 感情
研究開始時の研究の概要

内受容感覚 (e.g., 心臓の鼓動や胃の収縮) を日々の生活の中で意識したり,変化に気づいたりすることを特に内受容感覚の気づきという。内受容感覚の気づきに優れることが精神的健康の促進に寄与することが成人では数多く報告されている。しかしその一方で,児童生徒を対象とした内受容感覚の気づきの研究は始まったばかりであり,児童生徒の内受容感覚の気づきが感情調整や精神的健康を促進するのかについては明らかになっていない。そこで本研究では,児童生徒の内受容感覚の気づきを測定できる尺度を作成する。その上で,児童生徒の内受容感覚の気づきと感情認識,感情調整,精神的健康の関連を検討する。

研究実績の概要

内受容感覚とは身体の内部状態についての感覚であり,たとえば緊張する場面で心臓の鼓動が速くなっていることに気が付いたりすることが含まれる。日常生活の中で,内受容感覚をどれくらい意識したり,注意を向けたりするのか (以下,内受容感覚への気づき) については個人差があることが知られており,その個人差が感情制御や精神的健康に関わることが報告されている。しかし,これまでそうした内受容感覚への気づきについては基本的に成人を対象とした調査研究が積み重ねられており,子どもを対象とした研究はあまりなされていない。そこで本研究では,子どもの内受容感覚への気づきが感情の気づきや感情制御,精神的健康に影響するかについて検討を行った。調査の結果,内受容感覚への気づきの下位区分によって影響の方向性は異なるものの,内受容感覚への気づきと感情の気づきの間に有意な関連が示された。また,内受容感覚への気づきと感情制御方略の使用傾向の間に有意な関連が示され,内受容感覚に注意を向けやすい者は再評価や表出抑制を実施することが多いことが明らかになった。他方で,全体的なモデルとして内受容感覚への気づきが感情の気づきや感情制御の使用傾向に影響し,その結果として精神的健康が改善・悪化する可能性について検討を行ったところ,一般的に精神的健康に良い影響を及ぼすとされる再評価傾向と不安傾向の間に正の関連が認められ,先行研究と一致しない結果が確認された。今後はこうした結果が再現性のあるものなのか,またもし再現性があるのであればどのようなメカニズムに基づくのかについても検討していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概要にも示したように概ね順調に研究は進んでいる。研究結果の一部についても日本心理学会等で発表予定である。ただし,先行研究の予測とは異なる結果も確認されており,2024年度以降はその理由の解明作業も必要になる。

今後の研究の推進方策

当初の予定では2023年度の研究結果をベース構築された理論を踏まえ,2024年度に介入手法の開発,およびその効果についての研究を実施する予定であった。しかし,上述のように予測と一致しない調査結果が確認されており,その点において明確なモデル化ができていない部分が存在する。そのため,2024年度では当初の予定を変更し,予測と一致しない結果が再現できるものなのか?再現できる場合にはなぜそうなるのか?について検討を行い,モデルの精緻化を試みる。その上で,申請書に記載した内容をベースに児童生徒の内受容感覚への気づきを促進する方法を開発し,その効果を検証していく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 内受容感覚の研究法: 心理尺度と経験サンプリング法2023

    • 著者名/発表者名
      小林亮太
    • 学会等名
      感情心理学会プレカンファレンス
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 経験サンプリング法と質問紙尺度により測定されたinteroceptive attentionの関連 ―Murphy et al. (2019) の2×2モデルの部分的検証―2023

    • 著者名/発表者名
      小林亮太・本多樹
    • 学会等名
      感情心理学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Body Perception Questionnaire Body-Awarenessの2つの得点化方法の比較2022

    • 著者名/発表者名
      小林亮太・本多樹
    • 学会等名
      感情心理学会第30回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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