研究課題/領域番号 |
22K13824
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
斎藤 元幸 同志社大学, 文化情報学部, 助教 (70801926)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 思考 / 合理性 / 非合理性 / 因果推論 / 因果モデル / ベイズ推論 |
研究開始時の研究の概要 |
認知科学や認知心理学の領域において、人間の思考は因果モデルとベイズ推論を核とするベイズ的アプローチから説明が試みられている。先行研究の多くは認知プロセスの解明に焦点を当てており、どのようにすれば非合理的思考が抑制され、合理的思考が促進されるかは明らかにされていない。本研究では、因果モデルの表象を操作することによって合理的思考の促進を試みる。態度・知識・技術の教育ではなく、因果情報の提示やその方法に焦点を当てることが本研究の特色である。命題推論・確率判断・因果推論などの思考課題において、非合理的思考が抑制され、合理的思考が促進される条件を検討し、因果モデルやベイズ推論との関連を明らかにする。
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研究実績の概要 |
認知科学や認知心理学の領域において、人間の思考は因果モデルとベイズ推論を核とするベイズ的アプローチから説明が試みられている。因果モデルとは事象をノードで、事象間の因果関係をエッジで表現するグラフのことであり、ベイズ推論とは獲得したデータに基づいて仮説の事前確率をベイズの定理によって事後確率に更新する計算である。先行研究の多くは認知プロセスの解明に焦点を当てており、どのようにすれば非合理的思考が抑制され、合理的思考が促進されるかは明らかにされていない。本研究では、因果モデルの表象を操作することによって合理的思考の促進を試みる。態度・知識・技術の教育ではなく、因果情報の提示やその方法に焦点を当てることが本研究の特色である。命題推論・確率判断・因果推論などの思考課題において、非合理的思考が抑制され、合理的思考が促進される条件を検討し、因果モデルやベイズ推論との関連を明らかにする。 令和5年度は因果不変性について理論的検討を行った。因果不変性とは、因果効果が文脈などの背景要因に関わらず一定であることを意味しており、人間の因果推論におけるデフォルトの仮定と考えられている。因果不変性を想定した場合、打ち切りデータの因果効果の推定において、分散が大きいほど因果効果が大きくなるという独自の予測が導かれる。因果推論課題の実験データについて因果不変性モデル・線形回帰モデル・トービットモデルを比較検討した結果、因果不変性モデルが支持された。また、大規模言語モデルを用いた研究についても着手しており、人間の因果推論と生成AIの因果推論の違いや、生成AIが人間の思考を補助する可能性について検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
思考の合理性と非合理性について執筆しているものに時間が掛かり、実験の進捗がやや疎かになってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度も引き続き、因果推論について実験的・理論的検討を行う。因果モデルの提示の有無や提示方法などを操作し、因果効果の推定にどのような影響を及ぼすかを明らかにする。
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