研究課題/領域番号 |
22K13830
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大平 育世 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任助教 (70841352)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 感情調節 / 強迫症 / 認知行動療法 / 安静時fMRI |
研究開始時の研究の概要 |
強迫症は一般人口中の生涯有病率が1-3%程度とされ、適切な治療を行わないと慢性化しやすい精神疾患であるが、その治療法として認知行動療法(CBT)と薬物療法が推奨されている。 強迫症の発症や症状悪化の要因の一つとして感情調節の困難さが挙げられるが、近年の脳機能画像研究から、大脳のみでなく小脳を含む脳ネットワークが感情調節機能に関連することが示されている。本研究では、CBT実施前後における安静時fMRIを用いた機能的結合解析により、強迫症の病態と感情調節に関連している脳ネットワークを明らかにし、CBTの治療効果との関連を検証することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、感情調節機能の神経基盤としての脳内ネットワークについて安静時脳機能面から調査し、強迫症患者を対象とした認知行動療法(cognitive behavioral therapy;CBT)による治療効果との関連を検証することである。 本年度は昨年度に続き、成人を対象に強迫症患者と対照群の研究参加者を募集した。2024年3月までに強迫症患者17名が研究に参加した。アセスメント面接後、介入前の安静時fMRI(resting-state functional MRI;rsfMRI)の撮像、感情調節方略の使用傾向を測るERQ(Emotion Regulation Questionnaire)を含む各質問紙検査を実施し、個人面接による曝露反応妨害法を用いたCBTを開始した。本年度までに11名が心理面接を終了し、そのうち4名は介入後のrsfMRI撮像と各質問紙検査を完了した。また、感情調節機能と安静時脳機能画像との関連性を調査するためデータの整備を行った。本年度は健常参加者を対象に安静時脳機能画像とERQデータを解析し、fALFF(fractional amplitude of low-frequency fluctuation)と感情調節方略との関連を評価した。その結果、特定の脳領域が日常での再評価方略の使用傾向に関与している可能性が示唆された。本研究結果について、次年度の国内学会にて報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度である2022年度に新型コロナ感染症の影響で当初の計画よりもリクルートが遅延したため、研究の進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度前半まで研究参加者のリクルートを継続し、2024年度に強迫症患者を対象とした心理面接を終了する予定である。得られたrsfMRI画像と質問紙データの解析を進め、感情調節機能と脳ネットワークとの関連を検証する。さらに、介入前後のデータを比較し、強迫症患者を対象とした認知行動療法による治療効果との関連を検証する。
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