研究課題/領域番号 |
22K13831
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
鈴木 拓朗 富山大学, 学術研究部人文科学系, 講師 (40908670)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ストーキング / ストーカー / うらみ / 苦悩 / テキストマイニング / マインドフルネス / 加害者臨床 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、先行研究で見いだされてきたうらみの理論モデルの妥当性について検証することを第一の目的とする(研究1)。次に、確認されたうらみの理論モデルをもとに、ストーキング加害者が抱くうらみのどのような側面がどのようなストーキングに影響を与えるのかについて検討し、リスク要因および予防対策についての知見を得ることを目的とする(研究2)。
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研究成果の概要 |
うらみを抱いた経験がある男女を対象としてウェブ調査を実施し,テキストマイニングを用いて現代の人々が抱くうらみの概念を明らかにした。その結果,「悲しみ」がうらみの中核的特徴であることが新たに示された。続いて,うらみの背景にある心理的苦悩とストーキング関連行動の加害内容との関連性について調査し,テキストマイニングを用いて検討した。その結果,暴力あり群,接近行為のみ群,いずれも行わなかった群それぞれに関連する特有の心理的苦悩があることが見出された。本研究によってストーキング加害者に対して効果的な支援法としてマインドフルネスの視点を提案することができ,加害者臨床の焦点や方向性を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昨今では,ストーキング加害者に心理学的アプローチを行い,加害を防止することが求められているが,その有効な介入法については知見が乏しい状況であった。そこで,本研究はストーキング関連行動に関連するうらみの特徴として,その背景に内在する心理的苦悩に注目し,特に暴力的なストーキング関連行動と関連する加害者の心理的苦悩を明らかにした。これらの知見は,支援者が加害者の心情を理解することや,介入の方向性を検討する際の手助けになると期待される。さらに,マインドフルネスや適応的諦観の視点を介入法として提案したことで今後の加害者臨床の発展に寄与し,被害拡大を防止することに繋がることが期待される。
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