研究課題/領域番号 |
22K13832
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
直原 康光 富山大学, 学術研究部人文科学系, 講師 (80909705)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 離婚 / リスクアセスメント / 調停 / 裁判外紛争解決手続 / 子ども / 別居 / 面会交流 / 安全 / 裁判外紛争解決手続(ADR) |
研究開始時の研究の概要 |
離婚等の紛争解決や面会交流支援の現場では,親や子どもの安全に配慮することが求められているが,日本では,安全面を中心に別居・離婚後の家族をアセスメントするツールが存在しない。本研究の目的は,別居・離婚後の家族のリスクを多側面から測定する日本版アセスメントツールを開発して裁判外紛争解決手続 (ADR) や面会交流支援における各事案のリスクを数値化し,これらの現場で活用することである。リスクを可視化することで,紛争解決や面会交流支援の質を高め,親子が安心できる関係を構築することが期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,別居・離婚後の家族のリスクを多側面から測定する日本版アセスメントツールを開発して裁判外紛争解決手続(ADR)や面会交流支援における各事案のリスクを数値化・可視化することで,紛争解決や面会交流支援の質を高め,親子が安心できる関係を構築することである。 2022年度は,別居後の家族のアセスメントツールであるDetection Of Overall Risk Screen(DOORS; McIntosh & Ralfs, 2012)について,開発者の許可を得て日本語版を作成した。日本版作成にあたっては,弁護士,家庭裁判所調査官,ADR機関の調停者,面会交流支援団体の支援者等,多領域の専門家からの意見を翻訳に反映させるとともに,現場での活用を念頭に必要な修正を加え,逆翻訳を経て原著者の確認を完了させた。そして,ADR機関と連携して,次年度当初からの調査実施を目指して質問紙の内容や情報共有の在り方等を検討し,調査準備を完了させた。 また,当初の計画外であったが,別居・離婚家族においては夫婦の別居前から両親(夫婦)間葛藤が生じ,別居時には子どもへの影響が生じている可能性が考えられるため,夫婦別居前の両親間葛藤および両親間葛藤に対する子どもの反応を定量的にアセスメントする心理尺度であるChildren's Perception of Interparental Conflict Scale(CPIC; Grych et al., 1992)を原著者の許可を得て日本語化するとともに,青年期の子どもの両親間葛藤への対処行動尺度を独自作成した。これらを元に,高校生およびその親を対象に調査を実施し,尺度の妥当性や両親間葛藤の子どもへの影響を検討した。分析結果については,順次学会発表や論文化を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リスクアセスメントツールの日本語化の段階で多職種から意見を聴取して慎重に検討したこと,調査協力機関との事前調整を慎重に行ったことから,調査開始がやや遅れた。ただし,次年度当初から調査開始できる準備は整っている。また,当初の計画外ではあったが,本領域に関連する両親間葛藤を測定する心理尺度の開発を行うことができ,我が国で使用可能なアセスメントツールを整備することにも寄与したと考える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,ADR機関利用者を対象に,リスクアセスメントツールに回答を求めることを予定している。回答内容を視覚化したレポートを作成し調停者にフィードバックし,調停の進行にどのように寄与することができるかを検討する。また,アセスメントツールの信頼性・妥当性とともに,調停進行等の予測力についての予備的な検討を行う。 さらに,面会交流支援団体における活用を視野に,面会交流支援におけるリスクアセスメントの現状と課題についても調査を行い,本ツールの活用可能性について検討したい。
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