研究課題/領域番号 |
22K13844
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
越川 陽介 関西医科大学, 医学部, 研究員 (70807156)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | フォーカシング / うつ病 / パーソナルリカバリー / SEIQoL / QOL / 無作為化対照試験 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性疾患であるうつ病の回復には病気を抱えながらも充実した生活を送り、患者自身の主観的なQOLの向上が重要であり、パーソナルリカバリーと呼ばれている。一方、身体で感じながらも十分に言葉になっていない感覚を扱い自己理解を深める「フォーカシング」という心理療法がある。フォーカシングは患者の個別性に柔軟に対応することができ、ゴールが異なるパーソナルリカバリーにとって極めて有益なアプローチと言える。 これまでフォーカシングを精神科医療の場で検証される機会は少なく、臨床応用への効果検証が遅れている。本研究はうつ病患者の主観的QOLへのフォーカシングの影響を無作為対照化試験を用いて検証することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
近年の精神科医療ではリカバリーという概念が注目されており、精神症状や機能的なリカバリーと共に、パーソナルリカバリーが治療目標とされている。パーソナルリカバリーとは病気に制限されながらも希望を持ち充実した生活を送ることができる状態であり、生活の質(QOL)はこの概念を構成する一つの要素となっている。うつ病はこの心の健康を著しく低下させる精神疾患として挙げられ、症状の再発を繰り返し慢性化しやすい疾患である。このため、症状と付き合いながらも1人の人間として幸せや充実した人生を模索し、パーソナルリカバリーを達成することが心の健康の向上において重要であると言える。しかし、パーソナルリカバリーの到達点は個別性が高く、目標設定の統一が難点である。このため、個別性の高さに柔軟に対応できるアプローチが求められている。パーソナルリカバリーに至るためのアプローチとしてフォーカシングが有用であると考えられる。フォーカシングは今自分が感じていることを言語化し、それが実際に感じている感覚と合っているかを吟味しながら進めていく心理療法である。 報告者は2018年よりうつ病患者のQOLに関して研究を行っており、そこでの知見において、フォーカシングによって主観的QOLが変化し、その後の日常への行動に変化を与えるきっかけとなった事例を確認することができた。これらの知見から、フォーカシングの介入を行うことで下記に示すうつ病患者の現在のQOLに変化を与え、理想と現実とのQOLのギャップを埋めることができるのではないかと仮説が立てられたことから本研究への着想に至った。 本研究ではまず、健常者に対して無作為化比較試験を予備的に実施する。それらの結果を元にうつ病患者を対象にしてフォーカシングによるアプローチが主観的QOLに影響を与えるかを検証する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
健常者への予備研究を実施する前にパーソナルリカバリーに関する評価尺度の現状を把握するためのレビューを行った。また、うつ病患者の通院継続に関して、これに影響する因子の検討を通して試験計画の再検討を行なったため、当初の予定よりも若干の遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度において健常者への予備研究を実施を行う予定である。2種類の予備研究を想定しており、一つ目の予備研究を実施し、それと同時並行で二つ目の予備研究の準備を行う予定である。
|