研究課題/領域番号 |
22K13851
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
重松 潤 富山大学, 学術研究部人文科学系, 講師 (20910227)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 認知療法 / ソクラテス式質問 / 腑に落ちる理解 / 認知行動療法 / 心理療法の作用機序 |
研究開始時の研究の概要 |
認知療法では,セラピストがクライエントの能動的な内省を促す「ソクラテス式質問」を行うことが効果的であると経験的に知られている。しかし,この経験則がどのような作用機序に裏付けられているのか明らかではない。治療効果の安定性を確保し,個々の事例への応用可能性を広げるためには,作用機序の解明が必須である。そこで本研究では,クライエントの腑に落ちる理解や認知行動的変数,クライエントとセラピストのコミュニケーションの質や関係性に着目して,ソクラテス式質問の作用機序を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,認知療法におけるソクラテス式質問の作用機序について,クライエントの腑に落ちる理解に着目することで,その作用機序を明らかにすることである。 昨年度は,ソクラテス式質問の評価指標の作成を進めた。尺度研究のガイドラインであるCOSMINに則って原版の尺度の翻訳を行った。R5年度は原著者との議論を進め,評価指標の内容的妥当性の確認を行ったうえで,評価指標を完成させる予定である。併せて,指標の信頼性・妥当性を検証するための調査研究の準備を進めている。 また,ソクラテス式質問の効果に関わる要因と考えられる「腑に落ちる理解」と「自己効力感」について研究を進めた。具体的には,まだ知見の少ない腑に落ちる理解の効果について,腑に落ちる理解が感情制御の方略の効果に影響を及ぼすことを実験的に示した。特に,腑に落ちる理解が,認知療法の作用機序にも関わる感情制御方略である「認知的再評価」の効果に影響することが示唆された。この成果は国際誌に掲載された。また,認知療法で向上すると想定される特性的自己効力感に着目し,現代に適した特性的自己効力感の尺度の開発を行った。この成果は現在学会誌への投稿準備中である。今後は,これらの知見を総括して,ソクラテス式質問の効果との関連を検証する予定である。 これらの研究に並行して,認知療法の文献研究を進め,国内学会のシンポジウムを中心に発表を行った。これらの成果は,レビュー論文として投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで「腑に落ちる理解」に関する知見の蓄積がないことが課題となっていたが,R4年度は腑に落ちる理解に関する知見を国際誌に掲載することができた。これにより,本研究の土台を築けたといえる。また,ソクラテス式質問の評価指標の作成も進んでおり,R5年度には評価指標を用いた認知療法のプロセス研究を行うことが可能な見込みがあるため,上記の通り評価した。
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今後の研究の推進方策 |
R5年度はソクラテス式質問の評価指標を完成させ,ソクラテス式質問を用いた認知療法のプロセス研究を行う予定である。引き続き,クライエントの腑に落ちる理解や自己効力感等に焦点を当て,各要因の基礎的知見の蓄積も併せて進める予定である。
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